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通信制高校の歴史

現在のような通信制高校ができたのは昭和36年で、学校教育法等の一部改正によって高等学校の「通信制課程」が始まったときとされています。ただ、当時は卒業(修学年限)は4年以上とされていました。そのため、中学校を卒業して通信課程で学び大学受験を目指す場合は、全日制高校の同年齢の生徒よりも1年遅れてしまいます。

その後、昭和63年に修業年限が3年以上に改正されました。

通信制高校の学校数と生徒数の推移

文部科学省が発表しているデータによると、高等学校の生徒数の推移は以下の表のようになっています。

  昭和55年 昭和60年 平成2年 平成7年 平成12年 平成17年 平成22年
全日制 4,472,579 5,037,537 5,476,635 4,617,614 4,056,112 3,494,770 3,252,457
定時制 149,351 140,144 146,701 107,331 109,322 110,472 116,236
通信制 128,987 132,644 153,983 153,983 181,877 183,518 187,538
合計 4,750,917 5,310,325 5,777,319 4,878,928 4,347,311 3,788,760 3,556,231

高等学校の全生徒数は平成2年がピークで約578万人でしたが、その後ゆるやかに減少していきます。ただ、通信制高校の生徒数は昭和55年は約13万人だったのに、平成12年に18万人を超え、その後は若干の増減はありますが18万人~19万人前後を推移しています。

通信制高校の生徒数が増えているのに反して、定時制高校の生徒数は減少傾向にあります。平成2年までは14万人程度いたのがその後減少していき、現在では11万人前後という状況です。

学校数の変化を見てみると、定時制高校の数は平成4年は約1000校あったのがその後少しずつ減少していき、平成24年は約680校になっています。これは平成4年より3割以上減っているということになります。一方、通信制高校の数は平成4年はわずか90校でした。その後、平成12年には100校を超え、平成17年には175校に増えています。その後も増加を続け、平成24年は公立77校、私立140校、合計217校になっています。平成4年に比べると約2.4倍ということになります。中でも増加率が高いのが私立の広域の通信制高校です。なお公立の通信制高校は各都道府県に最低1校は設置されています。

各地に広がる広域の通信制高校

広域の通信制高校とは本校とは別に全国各地にキャンパスや学習センターを設けている形態のものをいいます。スクーリングや週1~3日程度の登校をキャンパスや学習センターで行うというケースが多いようです。

広域の通信制高校の例

広域の通信制高校は全国各地にキャンパスがあるタイプと、地域限定でキャンパスがあるタイプの2通りに分かれます。

(全国展開の例)

クラーク記念国際高等学校本校:北海道 キャンパス:北海道(3ヶ所)、東北(4ヶ所)、関東(13ヶ所)、中部(8ヶ所)、関西(9ヶ所)、中国・四国(8ヶ所)、九州・沖縄(11ヶ所)
代々木高等学校本校:三重県志摩市 キャンパス:代々木学園・代々木高等学院、サテライト教室:関東(13ヶ所)、中部(7ヶ所)、関西(9ヶ所)、九州(2ヶ所)、ほかに海外にもサテライト教室があります。

(地域限定の例)

翔洋学園高等学校本校:茨城県 キャンパス:茨城県(4ヶ所)、千葉県(2ヶ所)、神奈川県(1ヶ所)、福島県(1ヶ所)
明秀学園日立高等学校本校:茨城県 キャンパス:茨城県(4ヶ所) ほかにサポートキャンパスがあります。

ほかにも多くの広域の通信制高等学校があります。

本校は遠いという場合でも、近くにキャンパスがあれば通学は可能です。しかも通信制課程は全日制のように毎日通学することはなく(一部では週5日コースを設けているところがあります)、年に数回または月に数回登校するだけですので、キャンパスが少々離れていても問題はありません。

また、キャンパスの多くは少人数制で授業を行っています。そのためひとりひとりに目が行き届いているのが特徴です。不登校を経験した人や、全日制高校に進学したけれど学校が合わないと感じている人は通信制高校を検討されるといいでしょう。

通信制高校は都市部に多いというわけではありません。むしろ本校は地方に置いて、キャンパスを各地に設けているというケースが多いようです。そのため、地方在住の人でも利用しやすいのではないでしょうか。ただし、コースや選択科目などは学校によって異なりますし、同じ学校でもキャンパスごとに違います。事前によく調べてから決めるようにしましょう。