通信制高校への転入(編入)の条件や理由|全日制からの転入メリットを紹介

全日制高校から通信制高校へ移る方法には、今の高校に在籍したまま移る転入と、高校を退学したあとに入る編入があります。
このページでは、転入と編入の違い、転入の手続きの流れと必要な書類、受け付けの時期、単位と在籍期間の引き継ぎを説明します。
転入・編入・新入学の違い
通信制高校に入る方法は、次の3つです。
- 新入学:中学校を卒業して、1年生の最初から入学する
- 転入:今の高校に在籍したまま、別の高校に移る
- 編入:高校を退学したあとに、別の高校に学年の途中から入る
転入:今の高校に在籍したまま移る
転入(転学)では、在籍している高校の校長が在学証明書などの書類を転入先の校長に送り、転入先の校長が転入を許可します(学校教育法施行規則 第92条第1項)。
全日制・定時制・通信制の間で移る場合について、同じ条の第2項は「全日制の課程、定時制の課程及び通信制の課程相互の間の転学又は転籍については、修得した単位に応じて、相当学年に転入することができる」と定めています。
単位制の通信制高校に転入する場合は、前の高校で修得した単位と在学した期間に応じて、転入後に在学する期間が決まります。前の高校で修得した単位を、卒業に必要な単位に加えることもできます。そのため、前の学校の同級生と同じ時期に卒業できる場合もあります。
出典:e-Gov法令検索『学校教育法施行規則』(第92条)、e-Gov法令検索『単位制高等学校教育規程』(第5条・第7条)
編入:高校を退学したあとに入る
編入は、高校を退学した人が、別の高校に1年生の途中や2年生以上から入ることです(学校教育法施行規則 第91条)。前の高校で修得した単位は、編入の場合も、卒業に必要な単位に加えることができます(単位制高等学校教育規程 第7条)。
在学すべき期間の決め方は、転入と編入で違います。単位制の課程への転入は、修得した単位と在学した期間に応じて決めます。編入は、相当の期間を在学すべき期間とする、と定められています(単位制高等学校教育規程 第4条・第5条)。
出典:e-Gov法令検索『学校教育法施行規則』(第91条)、e-Gov法令検索『単位制高等学校教育規程』(第4条・第5条・第7条)
高校の休学・転学・退学の違いは、次の記事で紹介しています。
退学の届けは転入先の合格のあとに出す
転入は、今の高校に在籍していることが前提です。先に退学すると、転入ではなく編入の扱いになります。
編入は、受け付ける時期が決まっている学校があります。例えばルネサンス高等学校は、転入は随時、編入は4月と10月の年2回です。
また、1年生の途中で退学していて修得した単位がない場合は、引き継ぐ単位がないこともあります。
入学の条件(住んでいる地域・年齢)
例えば都立の通信制高校の場合、東京都に住んでいる、または東京都で働いている場合でなければ入学できない学校があります。
また、令和7年度の文部科学省の調査では、通信制高校323校のうち190校が、所在地の都道府県など決まった地域に住む人しか入学できない「狭域」の学校でした。
出典:文部科学省『令和7年度通信制高等学校実態調査に関する調査結果について』
通信制高校は、中学校、またはそれに準ずる学校を卒業していたり、それと同等以上の学力があれば、年齢に関係なく入学することができます。
文部科学省の「学校基本調査」(令和7年度)を見ると、通信制高校には60歳以上の生徒も240人在籍しています。
出典:文部科学省『学校基本調査』(令和7年度、表158「年齢別生徒数」)
通信制高校選びに迷ったら

全日制から通信制高校へ転入する手続きの流れ
学校の公表では、通信制高校への転入は、おおむね次の流れで進みます。
- 学校の説明会や個別相談に行く
- 転入先に出願する(入学願書・写真・入学検定料など)
- 在籍している高校に、転入に必要な書類の作成を頼む
- 選考を受ける(書類・面接・作文など)
- 合格したら、入学の手続きをする
在籍している高校が作る書類は、封をした状態で出します。N高等学校とルネサンス高等学校は、封が開いている書類は受け付けないとしています。
出典:N高等学校『出願書類』(2027年度)、ルネサンス高等学校『出願から入学までの流れ』、ヒューマンキャンパス高等学校『通信制高校の転入(転校)・編入について』、一ツ葉高等学校『他校からの転入学の募集要項』(2026年10月時点)
必要な書類と、作る人
学校の公表では、転入で出す書類は主に次のとおりです。
| 書類 | 作る人 |
|---|---|
| 在学証明書(在籍証明書) | 在籍している高校 |
| 成績証明書・単位修得証明書 | 在籍している高校 |
| 転学の照会の書類 | 在籍している高校 |
| 教育課程表 | 在籍している高校 |
| 入学願書・写真 | 本人 |
| 作文・志望理由書 | 本人(学校による) |
書類の名前は学校によって違います。転学の照会の書類は、N高等学校では『生徒の転学について(照会)』、ルネサンス高等学校では『生徒の転入学について(照会)』です。
編入の場合は、前の高校の在籍期間や成績・単位修得の証明を出し、転学の照会の書類は出しません(N高等学校・ルネサンス高等学校の公表)。
出典:N高等学校『出願書類』(2027年度)、ルネサンス高等学校『募集要項について』
選考の内容
転入の選考は、書類・面接・作文が中心の学校が多く、筆記の試験を行わない学校もあります。例えば第一学院高等学校は、面接(本人と保護者)と作文などで判定し、筆記試験は行わないとしています。ヒューマンキャンパス高等学校は書類選考と面接、一ツ葉高等学校は個別面接と作文です。
全国の通信制高校の入学者選抜の方法は、次の記事で紹介しています。
転入・編入を受け付ける時期
私立の通信制高校の例
転入を随時受け付ける学校が多く、受け入れる日を毎月1日などに決めている学校もあります。3年生の転入に期限を設けている学校もあります。
| 学校 | 転入 | 編入 |
|---|---|---|
| N高等学校 | ネットコースは随時、受け入れは毎月1日が基本。3年次は12月まで | 4月・7月・10月・1月 |
| ルネサンス高等学校 | 随時 | 4月・10月 |
| 第一学院高等学校 | 随時 | 随時 |
| ヒューマンキャンパス高等学校 | 4~12月は随時、原則各月1日。1~3月の出願は次年度4月の入学 | 随時、主に4月・10月 |
どの学校も通信制高校です。第一学院高等学校は、卒業の時期を3月と9月としています。
一ツ葉高等学校は、転入学の入試日程を随時としていて、高校3年生は卒業年の1月1日までです。
出典:N高等学校『入学案内』、N高等学校『通信制高校の転入・編入とは?』、ルネサンス高等学校『募集要項について』、第一学院高等学校『学校概要』、ヒューマンキャンパス高等学校『通信制高校の転入(転校)・編入について』、一ツ葉高等学校『他校からの転入学の募集要項』(2026年10月時点)
公立の通信制高校の例(東京都・神奈川県)
東京都立の通信制高校の場合、転入の募集時期は3月、8月、12月の年3回で、転入前と同じ課程、同じ学科間であることが原則です。
また、編入は高校で1年以上の課程を修了していることが条件で、募集時期は3月の年に1回だけです。
転入も編入も、それぞれに在籍していた高校の単位修得証明書などが必要になります。
出典:東京都教育委員会『令和9年度東京都立高等学校定時制課程通信制課程入学案内』
都立の通信制高校3校の、学期ごとの募集人員は、次の記事で紹介しています。
神奈川県の公立の通信制高校は、令和8年度は10月1日付けで転入学を受け付けました。対象は、本人の住所か勤務先が県内にある人で、転居などで今の高校に通うのが難しくなった人や、在籍校と転入先の校長が特別の事情を認めた人などです。選考の検査は、面接か作文です。
出典:神奈川県『令和8年9月1日付け(全・定)及び10月1日付け(通)公立高等学校転入学・編入学者の選抜の実施について』
単位と在籍期間の引き継ぎ
前の高校で修得した単位
前の高校で修得した単位は、転入先の校長が、卒業に必要な単位に加えることができます(単位制高等学校教育規程 第7条)。通信制高校を卒業するには、3年以上の在籍と、74単位以上の修得などが必要です。
ただし、前の高校の種類や履修の状況によっては、修得した単位を引き継げない場合があります。N高等学校は、出願書類の案内でそのことを示しています。
年度の途中の転入と、履修中の科目
年度の途中で転入したとき、その年度に前の高校で履修していた科目をどう扱うかは、学校によって違います。転入の時期と単位の関係は、次の記事で紹介しています。
休学した期間の扱い
休学した期間を在籍期間に含めないと公表している学校があります。例えばN高等学校は、休学期間中は在籍期間に含まれないとしています。
卒業の条件と、在籍期間の数え方は、次の記事で紹介しています。
学費と就学支援金の支給期間
通信制高校では単位制を採用しているところが多いため、学費は、1単位あたりの授業料に履修する単位数をかけて決まることが多いです。
そのため転入前にある程度の単位を修得していれば通信制の学費が安くなりますし、必要な単位が多ければ学費も高くなります。
ただ、通信制高校の授業料も就学支援金の対象です。私立の通信制高校の場合、授業料が単位制なら1単位あたり13,668円(年間30単位まで)が支給の上限で、授業料がこの範囲の学校なら授業料の負担はなくなります。入学金や施設費などは対象外です。
2026年度から就学支援金の所得制限が撤廃され、世帯年収にかかわらず支援を受けられるようになりました。支給期間は、通信制の課程では原則48月までで、前の高校に在学していた期間も通算されます。
就学支援金の金額や申請方法については、以下の記事で紹介していますので、気になる方はこちらを参考にしてください。
通信制高校から全日制高校へ移るとき
通信制高校から全日制高校へ移ることも、制度上はできます(学校教育法施行規則 第92条第2項)。ただし、受け入れは都道府県や学校の募集によります。
東京都は、都立高校の転学の募集を学期ごとに行い、募集する学校と人数を発表しています。第1学年の第三学期以降は、原則として今と同じ課程・学科への出願です。神奈川県は、令和8年度の募集で、欠員がない学校は募集しないとしています。
出典:東京都教育委員会『都立高等学校の転学・編入学について』、神奈川県『令和8年9月1日付け(全・定)及び10月1日付け(通)公立高等学校転入学・編入学者の選抜の実施について』
全日制から通信制高校へ移る人の状況
文部科学省の調査では、令和6年度の全日制高校の不登校生徒について、学校が把握した事実で多かったのは、学校生活に対してやる気が出ない等の相談(26.8%)と、生活リズムの不調に関する相談(25.8%)でした。これらは学校が把握した事実を集計したもので、不登校の原因を調べたものではありません。
出典:文部科学省『令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要』(全日制の値は e-Stat の表5-7『不登校生徒について把握した事実』)
高校生の不登校と、転入などの進路は、次の記事で紹介しています。
令和7年度に通信制高校に入学した生徒77,998人のうち、44,461人(57.0%)が中学3年生のときに不登校でした。
出典:文部科学省『令和7年度通信制高等学校実態調査に関する調査結果について』
通信制高校には、登校日数の少ないコースのほか、週3日~週5日登校するコースを置く学校もあります。
通信制高校への転入・編入のまとめ
全日制から通信制高校へ移る方法には、在籍したまま移る転入と、退学したあとに入る編入があります。転入では、在籍している高校が作る書類を封をした状態で出し、書類・面接・作文などの選考を受けます。
受け付けの時期は学校ごとに違い、随時の学校もあれば、3年生に期限がある学校もあります。前の高校で修得した単位と在学した期間は、転入先の学校が認めれば引き継げます。
通信制高校のメリットとデメリットは、次の記事で紹介しています。
通信制高校の資料は、下から無料で請求できます。
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