通信制高校の修学旅行ってあるの?内容と参加者の声をチェック
全日制高校には修学旅行があり、高校生活の楽しい思い出となります。
では、通信制高校ではどうでしょうか?このページでは通信制高校の修学旅行について、ご説明します。
私立の通信制高校の修学旅行
通信制高校は自宅で学習しレポートを書いて提出し、時々スクーリングに出席するというスタイルが基本です。そのため全日制高校のような学校生活の思い出が作れないと思う人がいるかも知れません。しかし、必ずしもそうではありません。
まずは私立の通信制高校の修学旅行について見ていきましょう。
私立高校の修学旅行は内容が充実
私立の通信制高校の中には、修学旅行を実施しているところがあります。また、短期集中スクーリングを修学旅行の代わりとしている学校があります。その場合は修学旅行とは違い、次のようにはっきりとした目的が2つあります。
- 高校卒業資格取得に必要な3年間30時間の「特別活動」のため
- 当該年度に履修登録した単位の認定試験を受けるため
勉強と単位修得が目的なので、修学旅行と比較すると、自由な時間は少ないかもしれませんが、学校の仲間たちとさまざまな体験ができ、大切な思い出になっています。
では、いくつかの私立高校の修学旅行(短期集中スクーリングを含む)の例をご紹介しましょう。
ルネサンス高等学校
ルネサンス高校は広域の通信制高校で、茨城県久慈郡にあるルネサンス高校本校(首都圏・東日本)、愛知県豊田市にあるルネサンス豊田高等学校(愛知県・東海・西日本)、大阪市にあるルネサンス大阪高等学校(大阪・西日本)の3つの校舎があります。
基本的にスクーリングはこの3校で行われますが、日常的な学習相談や進路相談などは東京都(新宿代々木キャンパス、青山オフィス)、神奈川県、愛知県、宮城県、北海道、広島県、福岡県にある受付・相談センターなどでも対応しています。
そのため、ルネサンス高等学校の生徒であっても、普段はお互いに顔を合わせることはあまりありません。
そこで同校では平成29年度からこの3校合同で修学旅行を実施し、平成29年度は台湾に3日間行っています。なお、この修学旅行は希望者のみで、不参加でも単位修得や卒業に影響することはありません。
屋久島おおぞら高等学校
屋久島おおぞら高等学校は鹿児島県屋久島に本校がある広域の通信制高校です。自宅学習の他、全国各地にある通学キャンパスで学ぶこともできます。
通学型の場合は、週1日~5日連携校(サポート校)に通います。
別途授業料がかかりますが、自宅学習が不安な場合は通学型を選ぶといいでしょう。
自宅学習型でも通学型でも、卒業する条件として「年に1回、屋久島のスクーリングに参加すること」があります。
通学型の場合は提携校でレポート作成をしますが、それとは別にスクーリングに参加しなければなりません。それが屋久島での集中スクーリングになっているのです。
この屋久島スクーリングは、遊び、仕事、自然の中での生活の3つの体験を通して人間性を育てることを目的にしています。
主な内容として、次のようなことを行っています。
- 屋久島の歴史を学ぶ
- 屋久島の花のデッサンで美術の授業
- 屋久島の自然の中をトレッキング
- ウミガメの観察調査
修学旅行ではありませんが、年に1回自然あふれる屋久島で全国の学友と一緒に活動できるのは、いい経験になるはずです。
鹿島学園高等学校
鹿島学園高等学校では海外への修学旅行を行っています。行先は沖縄、韓国、中国、フィリピン、アメリカなどで希望すれば毎年参加することも可能です。
なお、この修学旅行は学校行事のひとつとして実施されているもので、参加するとスクーリングの出席時間としてカウントすることができます。
ただ、学習センターによって学校行事の内容が異なるので、事前にご確認ください。
公立の通信制高校の修学旅行
公立の通信制高校の場合は、修学旅行はあまり実施されていません。
公立高校は遠足や社会見学のみ
ただ、学校行事として遠足や社会見学などを行っています。いくつかの事例をご紹介しましょう。
東京都立通信制高校
東京都には一橋高等学校、新宿山吹高等学校、砂川高等学校の3つの通信制高校があります。それぞれの学校では、校外で活動するものとして次のような行事を行っています。
高校名 | 行事 |
---|---|
一橋高校 | 地域清掃 |
新宿山吹高校 | 歌舞伎鑑賞教室 |
砂川高校 | 校外学習 |
このようにどれも「修学旅行」と呼べるような活動ではありません。
それ以外の公立高校の修学旅行
東京都立以外では、神奈川県立横浜修悠館高等学校)で隔年(1年おき)に研修旅行を行っています。内容は不明で希望者のみの参加となっています。
一方、大阪府立桃谷高等学校では遠足を行っていますが、修学旅行はありません。
公立の通信制高校はこのように余暇や娯楽的な活動にはあまり力を入れておらず、純粋に高校卒業を目指していることがわかります。
通信制高校でも修学旅行を楽しみたい!
ここまででご説明してきたように公立の通信制高校では修学旅行はほとんどありませんが、私立高校ではさまざまな形で修学旅行を実施しています。
本来、通信制高校は全日制高校に進学できなかった人や途中で不登校や退学して卒業できなかった人が高校卒業を目指すために設けられた高校です。
そのため、修学旅行には重きを置いていません。でも、全日制高校と同じように高校時代の思い出を作りたいという人がいると思います。
そこで、実際に通信制高校の修学旅行に参加した人の感想を見てみましょう。
通信制高校の修学旅行の感想
修学旅行の参加は強制ではありませんし、参加しなくても単位の修得には影響しませんが、参加した人の多くは「楽しかった」「いい経験ができた」と答えています。
沖縄への修学旅行
沖縄に修学旅行に行った人の感想です。
- 地元の漁師さんの指導で地引網をしました。一般の沖縄旅行ではやっていないものらしく、修学旅行ならではの体験ができてよかったです。
- 食事はゴーヤチャンプルーやソーキそばなど沖縄料理が中心で、日ごろ食べられない物を味わいました。
- 美ら海水族館を見たり、ビーチでの遊びやショッピング、水牛が引く牛車などの経験もいい思い出です。
- ひめゆりの塔に行ってお話を聞いたことが、ずっと心に残っています。
京都への修学旅行
京都方面に修学旅行に行った人の感想では、次のような声が寄せられています。
- 嵐山の散策と寺院での座禅体験、和菓子作りなどの体験が印象に残っています。
- 着物のレンタルをして着物を着て古寺をまわったのもいい思い出です。
- 斑ごとに京都の文化を体験するコースを回ったのが楽しかった。
東京ディズニーランド
修学旅行で東京ディズニーランドに行った人の感想では、「グループに分かれて行動しました。事前にどのアトラクションを見るか話し合って、行動しました。混んでいるところは後回しにしたり、パレードやショーを見たりと途中で話し合いながら行動するので、友達との距離が近くなった気がします。またこのメンバーで行きたいなと思いました。」という感想がありました。
修学旅行だからできる体験
上の感想でもわかる通り、個人の旅行ではなく学校の仲間と行く修学旅行だからできる体験があります。
学校が企画して個人では申し込めない体験コースに参加できるということもあれば、同じグループの人と助け合うという体験もあります。
また、海外留学を実施している学校もあるので、学校選びの際の参考にしてみてください。
通信制高校選びには修学旅行や学校行事も視野に入れる
修学旅行は数日間だけですが費用がかかります。そのため、修学旅行の有無だけで学校を決めることはできません。
ただ、修学旅行の内容が充実していて魅力を感じる場合は、それも視野に入れて検討してみましょう。
通信制高校の修学旅行
【私立高校では内容が充実】
私立の通信制高校では海外旅行や沖縄などへの修学旅行を実施しているところがあります。
また、短期の集中スクーリングを実施して、遠隔地で同級生と一緒にさまざまな体験や学習を行うところもあります。この場合は参加が単位修得の条件になっています。
【公立高校では修学旅行は実施されない】
一方、公立の通信制高校では日帰りの遠足や校外学習を行っているところはありますが、修学旅行はほとんどありません。
学校選びの際にはこのような学校行事も視野に入れて検討してみましょう。