通信制高校のイメージが変わるかも!?ユニークなイベントや行事の数々
通信制高校はスクーリングで年間(または月間)数日だけ登校し、それ以外は自宅学習が中心です。
そのため、学校の行事やイベントとは無縁だと思っている人が多いのではないでしょうか。
しかし、実際はさまざまなイベントや行事が行われています。このページではそういった通信制高校の学校行事についてご紹介します。
通信制高校のイベントや学校行事
公立、私立を問わず、下記のようなイベントや行事が実施されています。
- 入学式・卒業式
- 運動会・体育祭
- 文化祭
- 校外学習
- 遠足
- 清掃活動・ボランティア活動
- 文化・芸銃鑑賞
学校によって取り組みや内容は異なりますが、多くの通信制高校で上記のようなイベントや行事が行われています。
では、いくつかの内容を見てみましょう。
通信制高校の文化祭
公立、私立を問わず多くの通信制高校で文化祭を行っています。名称は「文化祭」「学園祭」「〇校祭り」など異なる場合がありますが、内容は全日制高校の文化祭とよく似ています。
ただし、規模は全日制高校ほど大きくはありません。比較的こじんまりとしたものですが、その年の実行委員会が内容を検討し工夫を凝らしたイベントになっています。
通信制高校の文化祭でよく実施されている内容としては、下記のものがあります。
- ステージでのライブ演奏
- 仮装コンテスト
- 書道作品の展示
- 手芸や工芸品の展示
- バザー
- 模擬店
通信制高校では少人数制のクラス編成が多く、登校日も少ないため、全員が集まる機会はそう多くありません。
そのため、ステージ出演などの練習時間は限られています。そういった中でも力を合わせて計画や練習をすることで他の生徒や先生との交流が図れます。
通信制高校の体育祭
体育祭は文化祭と並ぶ通信制高校の2大イベントのひとつです。
体育祭と呼ばずに運動会と言っている学校もありますし、球技大会を実施しているところもあります。
体育祭(運動会)では下記のものが多く行われています。
- 短距離走
- 綱引き
- 大玉運び
- 玉入れ
- 障害物競争
- リレー
通信制高校にはグラウンドがない学校もありますが、その場合は体育館を貸し切って行われます。
もちろん体育祭(運動会)はタイムを競い合う勝負ではなく、みんなで参加して楽しむという意味合が強いものです。そのため、普段は出会えない学友と交流できるいい機会になります。
球技大会を実施する学校もある
大々的な体育祭という形ではなく、ボウリング大会や球技大会、スキー・スノーボード体験といった形で実施している学校もあります。
広域の通信制高校は複数のキャンパスが合同で行うことも
文化祭も体育祭も、あまりに少人数では盛り上がりに欠けてしまいます。また、最近は広域の通信制高校が増えてきて、各地に複数のキャンパスを持つ学校が多くあります。
そういった場合は複数のキャンパスが1ヶ所に集まって、合同で文化祭や体育祭を行うケースがあります。
普段のスクーリングでは顔を合わす機会がない他キャンパスの生徒と交流できるいい機会です。ぜひ参加してみましょう。
インターンシップ(職場体験学習)
通信制高校の中には、卒業後の就労自立のためにインターンシップを実施しているところがあります。
洋菓子屋、書店、運送会社、レジャー施設、幼稚園、農園、老人ホーム、パン屋、美容室、百貨店、旅行代理店、洋服店、手芸洋品店、整備工場などさまざまな職場を体験することができます。
また、自分が学んでいるコースに合った職場でインターンシップを実施しているところもあります。将来の職業がよりリアルにイメージできるでしょう。
校外学習(遠足)
通信制高校では日帰りの校外学習を実施しているところが多くあります。
近年はテーマパークが人気で、特に関東ではディズニーリゾート、関西ではユニバーサルスタジオジャパンが人気の行き先になっています。
また、林間学校やバーベキュー大会といった校外行事や、工場見学など社会見学系の行事も多く見られます。
芸術鑑賞
机の上の勉強だけでなく、すばらしい芸術に触れることは心を育てるために大切なことです。
通信制高校では映画鑑賞やミュージカル鑑賞、歌舞伎鑑賞などを行っています。普段は接することのない分野の芸術でも気軽に参加してみましょう。いい刺激になりますよ。
ボランティア活動
ボランティア活動を実施している学校は多く、近隣の老人ホームや介護施設、保育園などを訪問してお手伝いをしています。芸術系や音楽系のコースを学んでいる人は、施設を訪問してライブ演奏をすることもあります。訪問先の人に喜んでもらうことで生きがいややりがいを感じられます。
また、書き損じはがきの回収や地域の清掃活動を実施している学校もあります。強制ではありませんが、誰かの役に立つ活動は、何らかの学びにつながります。ぜひ参加してみましょう。
各種検定の受検対策も実施
イベントとは言えないかも知れませんが、通信制高校では次のような各種検定の受検にも力を入れています。
- 漢字検定
- 日本語検定
- ワープロ検定
- 英検
- ビジネスマナー検定
- 簿記検定
- ビジネス能力検定
- 情報処理検定
これらは取得しておくと就職に有利になります。普段の課題や学校のイベントとは別にぜひ取り組んでみるといいでしょう。
また、大学受験を目指す人には全国模試を実施している通信制高校もあります。自分の進路については入学時やその後も折に触れて先生と相談できるので、気軽に相談してみましょう。
通信制高校のイベントや行事の意味合い
ここまででご紹介してきたように、通信制高校ではさまざまなイベントや学校行事を行っています。ただし、これたは単なるレクリエーションとして実施されるのではありません。
通信制高校だからこそイベントを実施する意味がある
全日制高校は毎日登校して同級生や先生と顔を合わせます。しかし、通信制高校はそうではありません。
だからこそ、こういった学校行事やイベントを行う意味があるのです。主な意味や目的としては、下記の点があげられます。
- 学友や先生との交流を図る
- 勉強以外の日ごろの成果を発表する
- リフレッシュ(息抜き)
- さまざまな体験をして社会経験を積む
- 情操教育(芸術鑑賞など)
- 特別活動としてカウントされる
通信制高校のイベントや行事で学友との絆が深まる
通信制高校は教室で一斉授業を受けるということがありません。(通学コースを除く)
そのため、学校主催のイベントや行事は学友と交流できるいい機会です。自宅でひとりで学習をしていると孤独を感じがちですが、同じ学校で頑張っている人がいるということを知ると励みになります。
また、先生との距離が近くなるので、さまざまな相談が気軽にできるようになります。
イベントや行事でリフレッシュ
働きながら勉強する人は、なかなかリフレッシュできる機会が持てません。また、毎日、ひとりで学習していると、息が詰まると感じる人もいるでしょう。
そういったときに学校行事はいい息抜きになります。体育祭で運動をしたり、遠足で遊びに出かけたりすることは気分転換ができ、リフレッシュの効果でその後の勉強の効率がアップすることが期待できます。
忙しい人もスケジュールを調整して参加してみましょう。
さまざまな体験ができる
社会見学やボランティア、芸術鑑賞などは、自分ひとりではなかなかできるものではありません。
もちろん個人でボランティアに行ったり、芸術鑑賞したりすることは可能ですが、自分の好きな分野に偏ってしまいます。
学校が行事として組んでくれると、いつもの自分ではチョイスしないような分野を体験することができます。
その経験がその後の人生にプラスになるはずですし、いい思い出になります。
学校行事は特別活動としてカウントされる
こういった学校行事に参加すると、通信制高校の卒業要件である「特別活動」としてカウントされます。
詳しいことを次にご説明します。
通信制高校の学校行事は特別活動として認められる
通信制高校の卒業要件のひとつに「30単位時間の特別活動に参加すること」があります。1単位時間は50分なので、トータルで25時間ということになります。
特別活動とはホームルーム(ロング、ショートを含む)の他に、上でご紹介したような学校行事の参加時間もカウントされます。
通信制高校の学校行事はなるべく参加を
通信制高校で学ぶ人の中には、社会人として働いている人や子育てをしながら学んでいる人がいます。
そういう人は時間の制約があるので、スクーリングの時間は取れても学校行事にまではなかなか参加できないということがあります。
それでも卒業するには、30単位時間の特別活動に参加する必要があります。ただし、これは1年で30単位時間というわけではありません。卒業までの3年の間に参加できればいいのです。
しかも、ラジオやテレビ、インターネットなどの学習を取り入れて、満足な成果が得られたと判断できる場合はこの時間数が一部免除されます。
そのため忙しい人や対人面で不安がある人は、無理して学校行事に参加しなくても卒業は可能ですが、ゼロというわけにはいきません。
入学式や体育祭など行ける行事には参加するようにしましょう。