通信制高校の学習センターやキャンパスとは?どう利用すればいい?
通信制学校のホームページや資料を見ていると、「学習センター」や「キャンパス」という言葉をよく見かけます。
このページでは通信制高校の学習センターやキャンパスについて、その意味や利用方法などについてご紹介します。
通信制高校のキャンパス・学習センターとは
通信制高校の多くは「広域」と言って、広く全国各地から生徒を募集します。一方、「狭域」の通信制高校もありますが、こちらは本校とその周辺の都道府県に住む生徒を対象に生徒を募集しています。
いずれにしても、毎日登校するわけではないので、本校が遠くてもそれほど問題ではありません。
ただ、スクーリングのときは不便になります。そのため、スクーリングや学習内容の質問、進路の相談などをする際に、すぐに行けるようにキャンパスや学習センターを設けています。
なお、近年は学習センターもキャンパスもほぼ同じ意味で使われているケースが多いのすが、特にキャンパスは「校舎」としての意味合いが強いようです。
通信制高校のキャンパス
キャンパスは広域の通信制高校が各地に設けている校舎のことです。分校というイメージですが、実際はそれぞれのキャンパスで部活動をしたり、放課後にクラスメイトとおしゃべりをしたりといった普通の高校生活が楽しめます。
通信制高校はキャンパスの場所が重要
通信制高校の中でも「通学コース」があり、週4日や5日の登校を希望する人は自分が通いやすい場所にキャンパスがあるかどうかを確かめておきましょう。
キャンパスには常に教師が常駐しているので、勉強でわからない点はもちろん、単位修得や進路の相談などもいつでもできるのがメリットです。
すぐに行けると、その分学習も早く進みます。
通信制高校の学習センターとは
学習センターというのは広域の通信制高校が全国各地に住んでいる生徒のために、学習をサポートする目的で設けられている教室のことをいいます。
学習センターでもレポート作成の中でわからないところがあったときなど、先生に質問することができます。
スクーリングは基本的には本校で実施することとなっていますが、通信制高校によっては学習センターでのスクーリングを実施しているところがあります。
学習センターは駅に近いところなど、立地条件がよくて通いやすい場所にあることが多いようです。
キャンパスや学習センターは学習塾を利用するケースもある
通信制高校のキャンパスや学習センターは、学校独自が校舎を持っている場合だけでなく、各地域のビルの一室を借りたり、学習塾を借りたりして指導を行っているケースもあります。
その場合のスクーリングは本校に行って受けることになります。(対応は学校によって異なります。)
通信制高校のキャンパスの例
キャンパスでは全日制高校のような高校生活が楽しめます。いくつかの学校のキャンパスの例をご紹介します。(いずれも2019年1月現在)
第一学院高校のキャンパス
第一学院高等学校の本校は茨城県高萩市と兵庫県養父市にあります。
一方、キャンパスは札幌、盛岡、仙台、郡山、千葉、埼玉、東京都、新潟、長野、富山、名古屋、京都、大阪、広島、博多など全国に50キャンパスがあります。
また、ほかにも個別指導コースのキャンパスが全国に約1,900ヶ所もあります。
さらに美容、芸能など専門コースのキャンパスも用意されています。これだけ多くのキャンパスがあれば、通いやすいところが選べますね。
過去にいじめや不登校の経験がある人は地元のキャンパスでは知り合いに出会う可能性があり、避けたいと思うことがあるかも知れません。その場合は離れた土地のキャンパスを選ぶことも可能です。
通信制高校のキャンパスは全日制高校よりも登校日が少ないので、そういった心配も克服できます。
キャンパスによってコースが異なる
第一学院高校では、下記のようにキャンパスによって学べるコースが異なるので注意が必要です。
- 中目黒キャンパス……芸能コースのみ
- 島田キャンパス(ナンバペット美容学院静岡分院)……ペットコースのみ
- 鶴舞キャンパス(名古屋総合美容専門学校)……美容コースのみ
- 姫路キャンパス……標準コースのみ
また、他にも学習塾やフリースクールをキャンパスとして利用しているところがあります。
学校選びの際には、コース選びと同時にどのキャンパスを利用することになるのか、といった点もよく調べておきましょう。
クラーク記念国際高校
クラーク記念国際高校の本校は北海道にありますが、東北地方(仙台市、秋田市など)、東京都内、関東地方(千葉、埼玉など)、東海地方(静岡、名古屋、岐阜など)、近畿地方(京都、大阪、兵庫県など)、中国・四国地方(広島、岡山、香川県など)、九州地方(福岡や鹿児島など)のように全国にキャンパスがあります。
また、留学先としてオーストラリアキャンパスもあるのが特徴です。
同校は週5日通学する全日型コース、週1日~3日通学するコース、在宅型などがありますが、キャンパスによって設置されているコースが異なります。
事前によく確認してください。
通信制高校の学習センターの例
学習センターを設けている通信制高校をご紹介します。(いずれも2019年1月現在)
松陰高校
本校は山口県岩国市にあります。2階建ての本格木造校舎です。
松陰高校の学習センター
同校の学習センターは下記のように全国各地にあります。
- 岩国学習センター(山口県岩国市)
- 島根松江学習センター(島根県松江市)
- 大阪梅田校、大阪なんば学習センター、大阪南森町学習センターなど(大阪府大阪市)
- みなとみらい学習センター(神奈川県横浜市)
- 東大前学習センター、新宿学習センターなど(東京都)
- 名古屋駅前学習センター、名古屋中央学習センターなど(愛知県名古屋市)
- 神戸元町学習センターなど(兵庫県神戸市)
- 大分学習センター、大分佐伯学習センター(大分県)
- 札幌中央学習センター(北海道札幌市)
全国すべての都道府県に学習センターがある鹿島通信教育グループ
鹿島学園高等学校は「鹿嶋通信教育グループ」として鹿島朝日高等学校、鹿島山北高等学校と姉妹校提携をしています。
鹿島通信教育グループの3校の学習センターは全国すべての都道府県に設置されているため、どこに住んでいる人でも入学して学ぶことができます。
なお、同校では個々の学習センターのことを「キャンパス」と呼んでいます。
自分のスタイルに合った学習センターが見つかる
鹿島学園グループ3校の学習センター(キャンパス)には、さまざまなコースや指導法が取り入れられています。いくつかの例をご紹介しましょう。
学習センター(キャンパス名) | 特徴 |
---|---|
練馬キャンパス (東京都練馬区) |
・通学は週1回~毎日、月1回などから選べる ・「17時からコース」があり仕事帰りの通学も可能 |
飯田橋連携キャンパス (東京都千代田区) |
「家庭教師のトライ」と連携して指導。個別指導が強み |
名古屋駅前キャンパス (愛知県名古屋市) |
・自宅学習のほか週1日、週2日、週3日、週4日、週5日の登校コースから選択できる ・大学進学コース、スポーツコース、マンガ・アニメコース、声優コース、就職支援コース、海外留学コースなど多彩なコースが魅力 |
正化学園高等部 大阪梅田校 (大阪府大阪市) |
教育カウンセラー、学習支援員(LSA)、引きこもり支援相談士、不登校訪問専門員、発達障害学習支援サポータなどの有資格者が不登校支援教育を担当。不登校経験者や学習の遅れがある人でも安心 |
KG高等学院 留学館キャンパス | 帰国子女のためのキャンパス。日本の学校になじめるか不安な人におすすめ |
このように学習センター(キャンパス)によって内容が異なりますが、他にもさまざまなコースや取り組みを行っているため、自分に合うところがきっと見つかりますよ。
公立の通信制高校は協力校でスクーリングを実施
ここまでは私立の通信制高校のキャンパスや学習センターをご紹介してきました。
公立の通信制高校の場合は本校以外にキャンパスや学習センターを持つということはありません。
しかし、公立校は同一都道府県内に居住または勤務する人しか入学できないため、場合によっては本校まで行くのが遠いということがあります。
そういったときのために協力校でのスクーリングを実施しています。
公立の通信制高校の協力校の例
例えば、下記のように同じ県内の県立高校を協力校に指定して、そこでスクーリングを実施するケースがあります。
通信制高校の学校名 | 協力校 |
---|---|
兵庫県立網干高等学校 | ・豊岡高校(但馬築) ・西脇北高校(北播磨地区) ・阪神昆陽高校(阪神地区) |
島根県立宍道高等学校 | 隠岐高校(隠岐地区) |
鹿児島県立開陽高等学校 | ・頴娃(えい)高校(指宿地区) ・川辺好悪校(川辺地区) ・川内高校(川内地区) ・出水工業高校(出水地区) ・大口高校(大口地区) ・志布志高校(志布志地区) ・鹿屋高校(鹿屋地区) ・種子島高校(種子島地区) ・屋久島高校(屋久島地区) ・大島高校(大島地区) ・喜界高校(喜界地区) ・徳之島高校(徳之島地区) ・沖永良部高校(沖永良部地区) ・与論高校(与論地区) |
長崎県立鳴滝高等学校 | ・島原高校(島原市、南島原氏、雲仙市など) ・五島高校(五島市、南松浦郡など) ・壱岐高校(壱岐市) ・対馬高校(対馬市) |
このように面積が広くスクーリングへの参加が遠くなる場合や離島がある県などでは、各地の県立高校を協力校に指定し、そこでスクーリングや単位認定試験を受けられるようにしています。
ネット学習が中心のNHK学園の場合
NHK学園高等学校は東京に本校がありそこでは登校コースがありますが、それ以外は自宅でのネット学習が中心になります。
その場合、スクーリングは東京本校に行くのではなく、下記のように全国各地のスクーリング会場に参加します。
地区 | スクーリング会場 |
---|---|
北海道 | ・北海道北見北斗高校(ネット学習コース、ベーシックコース) ・北海道明朋高校(ネット学習Doitコース、ネット学習コース、ベーシックコース) |
東北地方 | ・青森県立北斗高校 ・秋田県立秋田明徳館高校 ・岩手県立杜陵高校 ・宮城県立明成高校 など |
関東地方 | ・新潟私立明鏡高校 ・昌賢学園(群馬県) ・千葉黎明高校(千葉県) ・大宮開成高校(埼玉県) など |
中部地方 | ・清水国際高校(静岡県) ・石川県立金沢泉丘高校 ・名古屋大谷高校(愛知県) など |
近畿地方 | ・大阪夕陽丘学園高校(大阪府) ・履正社高校(大阪府) ・京都翔英高校(京都府) など |
中国・四国地方 | ・岡山県立岡山操山高校 ・広島県立広島国泰寺高校 ・愛媛県立松山東高校 など |
九州地方 | ・福岡県立博多青松高校 ・鎮西額医院高校(長崎県) ・宮崎県立宮崎東高校 など |
通信制高校を選ぶ際はキャンパスや学習センターにも注目
通信制高校は各校がさまざまな特徴を打ち出し、アピールしています。それらを見て学校を選ぶといいのですが、中にはスクーリングは本校での集中スクーリングのみという場合があります。
また、キャンパスや学習センターによって実施しているコースが異なることが多いので、事前によく確認するようにしましょう。
資料請求とキャンパスの確認が大切
通信制高校を選ぶ場合は、複数の学校から資料請求することが大切です。1校だけでなく複数の学校の資料を比較検討することで、各校の違いが見えてくるからです。
さらにキャンパスや学習センターの確認に行くようにしましょう。
「キャンパス」という名前がついていても、現実には学習塾だったり、ビルの1室で少人数での指導だったりすることがあります。
せっかく通学コースを選んだのに、キャンパスに行ってみたら生徒は3~4人しかいない……ということが起こる可能性があります。
大手の私立通信制高校ではキャンパスごとの学校説明会や体験授業などを行っているので、ぜひ参加してみましょう。