ユニーク科目がいっぱい!通信制高校の必修科目と選択科目

通信制高校は3年以上かけて74単位を修得することで卒業できます。この74単位には、必ず学習しなければいけない必修科目と自由に選べる選択科目があります。
なお、必修科目は正式には必履修(ひつりしゅう)科目と言いますが、ここでは一般的によく使われる「必修科目」としています。
では、通信制高校の必修科目と選択科目についてご説明します。
通信制高校の必修科目
日本の高等学校では全日制・定時制でも通信制でも74単位以上を修得することが学習指導要領で定められています。
必修科目の内容
文部科学省の学習指導要領では、国語、地理歴史、公民、数学、理科、保健体育、芸術、外国語、家庭、情報の各教科と、総合的な探究の時間で、必ず学ぶ科目(必履修科目)が決められています。
令和4年度(2022年度)以降に入学した人の必修科目は下記の通りです。
| 教科 | 必履修の科目(標準単位数) |
|---|---|
| 国語 | 現代の国語(2) 言語文化(2) |
| 地理歴史 | 地理総合(2) 歴史総合(2) |
| 公民 | 公共(2) |
| 数学 | 数学Ⅰ(3) |
| 理科 | 「科学と人間生活」を含む2科目 または基礎を付した科目を3科目 |
| 保健体育 | 体育(7~8) 保健(2) |
| 芸術 | 音楽Ⅰ・美術Ⅰ・工芸Ⅰ・書道Ⅰから1科目(2) |
| 外国語 | 英語コミュニケーションⅠ(3) |
| 家庭 | 家庭基礎(2)または家庭総合(4) |
| 情報 | 情報Ⅰ(2) |
| 総合的な探究の時間 | 3~6単位 |
(かっこ内は標準単位数。基礎を付した科目は物理基礎・化学基礎・生物基礎・地学基礎。数学Ⅰと英語コミュニケーションⅠは2単位にすることができます)
なお、学習指導要領は文部科学省で検討され、改訂されることがあります。その結果、必修科目や単位数が変わる可能性があります。
通信制高校の必修科目の添削指導と面接指導
通信制高校では、1単位につき、添削指導の回数と面接指導の時間の標準が下記のように定められています。
| 科目 | 添削指導 | 面接指導 |
|---|---|---|
| 国語・地理歴史・公民・数学 | 3回 | 1単位時間 |
| 理科 | 3回 | 4単位時間 |
| 体育 | 1回 | 5単位時間 |
| 保健 | 3回 | 1単位時間 |
| 芸術・外国語 | 3回 | 4単位時間 |
| 家庭・情報・専門教科・科目 | 必要に応じて各科目で2~3回 | 必要に応じて各科目で2~8単位時間 |
通信制高校は教室での授業はありませんが、各科目で課題レポートを提出し添削指導を受ける必要があります。
また、上記のように決められた単位時間の面接指導(スクーリング)も受けます。(1単位時間は50分)
通信制高校の選択科目
74単位の内、必修科目以外は選択科目の中から選ぶようになっています。
選択科目は国語の場合は必修科目にない古典や国語表現、理科は科学と人間生活、物理基礎、化学基礎、生物基礎など複数の科目の中から選択します。もちろん担当の先生が相談に応じてくれるので、入学時に相談して74単位の学習計画を立てましょう。
通信制高校の中には全日制高校にはないユニークな選択科目がたくさんあります。一部をご紹介しましょう。
ゲームやアニメ系コースの選択科目
通信制高校の中には、ゲーム制作やアニメ制作ができるコースがあります。将来、ゲーム作家を目指す人やマンガ・アニメ関連の仕事に就きたい人は通信制高校で高校卒業と同時に専門技術を身につけることができます。
ゲーム・アニメコース
ゲーム・アニメコースでは、ゲーム・グラフィック、企画・シナリオ、プログラム、アニメなどの分野で活躍するための実践的な技術を学ぶことができます。
学校によっては、ゲーム業界の人から学べるセミナーやワークショップを行っているところもあります。ゲーム好きな人やパソコンを扱うのが好きな人、アニメ好きな人におすすめです。
マンガ・イラスト
一度もペンを握ったことのないような人でも基礎から学ぶことができます。漫画、イラストの描き方だけでなく、デッサンやストーリーやキャラクター作成など、将来プロとして活躍するために必要なスキルを学べます。
例えばさくら国際高等学校 東京キャンパスの美術・イラストコースでは、1年生から3年生まで毎週、次のような授業があり、段階を追ってマンガやイラスト、アニメの制作ができるようになっています。
- デッサン・クロッキー
- 作画基礎・マンガ制作基礎
- コンピュータ入門
- クリップスタジオ・フォトショップ
- 背景・遠近法
- キャラクターデザイン
- 3DCG基礎
- オープニングアニメムービー・エンディングアニメムービーの制作
他にも、学校によってはプロを目指すための指導をしているところもあるので、探してみましょう。
声優・放送・タレント系コースの選択科目
声優やナレーター、ラジオのパーソナリティなどを目指す人におすすめです。学校によっては、スタジオや収録ブースを使ったレッスンが受けられます。
声優・タレントコースでは、例えば次のような授業があります。
- 発声・発音
- 滑舌(かつぜつ)トレーニング
- ダンスレッスン
- 演技レッスン
- ナレーション・朗読
- フリートーク
- アフレコ実習
- CM実習
こういった科目の中から自分が目指す進路で必要と思われる科目を選択し、学習していきます。
学校によってはオーディション対策なども行っています。
外国語を学べる科目・講座
必履修科目の外国語は「英語コミュニケーションⅠ」(標準3単位)です。これでは、卒業後に語学力を活かして就職したいという人にとっては物足りないかもしれませんね。
そこで通信制高校では、選択科目や講座でさまざまな外国語を学べるようにしているところがあります。
初級から海外大学進学レベルまで
N高等学校では、課外活動として英語と中国語を学べます。英語は、文法を基礎から学ぶ「ゼロから英語」や「英語多読」のほか、海外大学進学に必要な「IELTSスコア5.5」を目指す講座があります。
また、学校によっては留学コースを設けているところもあります。
選択科目でビジネススキルを磨く
パソコン、コミュニケーション、プレゼンテーションなど、あらゆる仕事で必要となるビジネススキルを学びます。
名刺の渡し方やマナー、一般常識から専門スキルまで幅広く学べるのがメリットです。
パソコン検定などの受験にも力を入れているので、企業の即戦力となってバリバリ働きたい人におすすめです。就職の際には自己アピールできる強い味方になります。
選択科目で体験学習
特に将来の職業や夢が決まっていないという人は、まずは体験学習でさまざまな分野を体験してみるのもいい方法です。
星槎国際高等学校では、11のカテゴリーに分かれた130を超える「ゼミ」から、好きなことや興味のあることを選んで学べます。例えば次のようなゼミがあります。
- プログラミングゼミ
- 映像編集ゼミ
- 音楽ゼミ
- ダンスゼミ
- 農業ゼミ
- 福祉ゼミ
- クッキングゼミ
これらはキャンパスによっては実施されていないものもあります。また、他にも多くのゼミがあります。
選択科目で学び直しやキャリア教育
通信制高校に進学する人の中には、不登校などで中学校の授業が十分に受けられていない人や理解できていない人がいます。
そういった人が高校の教科書を見ても、思うように課題レポートが進められません。
そこで通信制高校の中には、中学校の学び直しのための授業を設けているところがあります。
選択科目で基礎から学び直し
八洲学園高等学校のベーシッククラス(週5日通学)では、「基礎国語」「基礎数学」「基礎英語」「基礎社会」「基礎理科」の授業で、学び直しをしながら基礎学力の定着を目指します。
各教科の基礎を復習して十分に理解を深めておくと、高校の教科書の内容がわかるようになり勉強が楽しくなります。
キャリア教育
同じく八洲学園高等学校のベーシッククラスでは、キャリア教育で卒業後の進路を見据えて一般常識などを学びます。
また、コミュニケーション能力の向上や生活力の向上を目的とした授業も行っています。
(各校の紹介は、2026年10月時点の公式サイトによる)
出典:さくら国際高等学校 東京キャンパス『美術・イラストコース』、N高等学校『語学(英語・中国語)』、星槎国際高等学校『SEMINAR』、八洲学園高等学校『ベーシッククラス』
通信制高校の選択科目は学校によってさまざま
このように通信制高校の選択科目は学校によってさまざまで、各校の特色や個性が現れています。
いずれも全日制高校にはないユニークな科目があるので、入学前に複数の学校をよく比較検討してみましょう。
選択科目はキャンパスで異なることがあるので要注意
また、同じ通信制高校でもキャンパスによって実施している選択科目が異なる場合があります。
「自分がやりたかった科目がない!」ということがあるので注意しましょう。
なお、実習を伴う選択科目は登校する必要があります。仕事や子育てと両立して卒業を目指す人の場合は、登校日数を事前に調べて受講が可能かどうかを確認することが大切です。
通信制高校にはユニークな選択科目が!
全日制高校にはないユニークな選択科目が多くあります。
将来の職業や夢の実現、趣味に活かせるものなどがあるのでじっくり選んでみましょう。
ただ、キャンパスによっては実施している科目が異なることがあります。登校の日数や費用なども合わせて事前に学校に問い合わせをして確認することが大切です。
