通信制高校は孤独?友達を作るにはどうすればいい?
通信制高校は自宅学習が中心です。全日制高校のように毎日登校する必要がないのが特徴ですが、同級生との関わりが少ないためにさびしいと感じる人もいます。
このページでは、通信制高校での友達との関わりについて見てみましょう。
通信制高校では友達ができない!?
通信制高校はその名の通り、課題レポートを提出して添削指導を受けるという「通信教育」が中心です。
そのため、全日制高校のように毎日登校する必要がありません。不登校を経験した人や働きながら高卒の学歴を取得したい人にとってはメリットがあるのですが、高校で友達を作りたいという人にとっては同級生と接する機会が少ないので物足りなさを感じるかも知れません。
通信制高校の登校日は年間で数日だけ
通信制高校では、学校に登校する日は年間で数日(20日前後)だけです。
そもそも通信制高校を卒業するには次の3つの条件を満たす必要があります。
- 3年以上在籍すること
- 74単位を修得すること
- 一定時間数の特別活動に参加すること
特別活動とは社会見学や運動会、文化祭などの学校行事のことで30単位時間(1単位時間は50分)参加することとなっていますが、条件を満たせば30単位時間以下でもいいとされています。
そのため、特別活動で学校に行く日はかなり限られています。
74単位を修得するための流れ
一方、単位の修得は次の流れで進めていきます。
- 必履修(ひつりしゅう)科目とそれ以外の科目で74単位を選ぶ
- 1単位ずつ教科書を見ながら課題レポートを作成し、学校に提出する
- 提出した課題レポ―トに対して添削指導を受ける
- スクーリングで面接指導を受ける
- 単位認定試験を受ける
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課題レポートは教科書を見ながら書いてもいいし、内容もそれほど難しいものではありません。自宅や図書館で勉強すればできますし、働きながら学ぶ人は仕事の休憩時間に教科書やスマホで勉強することができます。
また、単位認定試験もそれほど難しいことではありません。
この流れからもわかる通り、通信制高校では教室で一斉授業を受ける機会がほとんどないのです。
不登校や忙しい人にとって通信制高校はメリットが大きい
中学校や高校でいじめや人間関係の悩みなどで不登校になった人、人と関わることが不安だという人は通信制高校を選択すると、人間関係に悩むことなく勉強ができます。
また、仕事・子育てなどで忙しい中、高校卒業を目指す人にとって、登校日数が少ない通信制高校はとても便利でメリットがあります。
ただ、登校日数が少ないだけに、同級生と接する機会が少なく、友達ができにくい環境にあると言えるでしょう。
通信制高校は友達ができず孤独?
ただ、やはり自宅でひとりで勉強するのはさびしいと感じることがあります。
74単位の修得を目指して計画を立てたものの、思うように勉強が進まないと不安になってしまうでしょう。全日制高校では人間関係に悩むこともありますが、同じ授業を受けることでお互いに刺激し合い、励まし合うことができます。
しかし、通信制高校ではそういった刺激がないために、つい怠けてしまうことがあります。
通信制高校で友達と会う機会
通信制高校は単位修得制になっているため、登校しても「クラス」というものがありません。
スクーリングに出席しても、その都度顔を合わせる生徒が異なるということがあります。入学式で顔を合わせた人と、卒業まで一度も会わないという可能性もあります。
しかし、だからといって通信制高校で友達を作るのが無理ということはありません。次に、通信制高校での友達作りのポイントをご紹介します。
通信制高校で友達を作る方法
通信制高校でも、次のような方法で友達を作ることができます。
- 登校日の多い学校を選ぶ
- 自分の好きなコースがある学校を選ぶ
- 学校行事に積極的に参加する
- スクーリングで自分から声をかける
- 担当の先生に悩みや不安を相談する
では、ひとつずつご説明していきます。
登校日の多い学校を選ぶ
通信制高校は基本的には自宅で学習する、または職場の休み時間などにタブレット端末などで学習するという個人学習になっています。
しかし、公立の場合は月に1~2回、または学期ごとに数日、スクーリングで登校するようになっています。
また、私立の場合は月ごと、週ごとに登校するタイプのところや年間で数日間宿泊して集中スクーリングをするところなどがあります。
少しでも登校日が多い学校を選ぶと、友達が作りやすくなります。
通学コースのある学校がおススメ
特におススメなのは「通学コース」がある学校です。通学は週に1日だけというところから週5日通学というところまでさまざまです。
週5日なら全日制高校と変わらないと思うかも知れませんが、午前中だけの授業とか午後だけの授業など比較的短時間の授業が組まれています。
そのため、忙しい人や登校時に人と接するのが不安という場合でも抵抗なく登校できるでしょう。
通学コースでは同じ人と何度も顔を合わせるために、自然と親しくなっていきます。しかも、通信制高校のクラスは少人数制のところが多いため、全日制高校のように友人関係で気を使うことが少ないという点も安心できるポイントです。
自分が好きなコースがある学校を選ぶ
私立の通信制高校には、次のようにさまざまなコースがあります。
- 美容系
- 調理系
- 介護・保育系
- イラスト・アート・ゲーム系
- 芸能・エンタメ系
- スポーツ系
- IT・ビジネス系
自分が好きなコースがある学校を選ぶと、共通の趣味を持つ友達を作ることができます。
将来の夢を語り合ったり、励まし合ったりすることで一生つきあえる友達ができるでしょう。
学校行事に積極的に参加する
通信制高校でも運動会や文化祭、社会見学、校外学習などの学校行事を実施しています。
また、すべてではありませんが通信制高校でも修学旅行を実施している学校があります。
体育祭や文化祭、映画鑑賞、遠足、ボランティア活動などのイベントや校外活動を実施している学校がたくさんあります。これらに参加することで、友達作りのきっかけになるでしょう。
スクーリングで自分から声をかける
通信制高校で学ぶ人が登校するのは、学校行事とスクーリングのときだけです。(通学コースを除く)
同じ学校で友達を作ろうと思ったら、スクーリングで出会った人に自分から声をかけてみましょう。
通信制高校はさまざまな境遇の人と出会える
全日制高校と違って通信制高校では年齢も境遇もさまざまな人が学んでいます。中には高齢の人もいますし、子育てをしながら高校卒業を目指して頑張っている人もいます。
そういった人と親しくなることで、自分が知らない世界や生き方を知ることができます。また、「大変なのは自分だけではない」ということがわかります。
通信制高校は孤独だと言われますが、こういった貴重な機会を逃すことのないように、少し勇気を持って行動してみましょう。
集中スクーリングも友達を作るチャンス!
また、「集中スクーリング」と言って、合宿形式のスクーリングを行っているところもあります。
本校が沖縄や北海道、屋久島など遠方にある場合、毎月のスクーリングが困難です。そういった学校では夏季や冬季に5日間~20日間ほど現地で宿泊して集中スクーリングを実施しています。
スクーリングの期間中は一緒に宿泊し、さまざまな活動をします。友達を作るいい機会なので、自分から声をかけてみましょう。
また、お互いに連絡先を教え合うと、その後も学習の進み具合を報告するなど交流が深まっていきます。
担当の先生に悩みや不安を相談する
スクーリングの機会に自分から声をかけるといいとわかっていても、対人関係で不安を持つ人にとってはそれ自体が大変なことです。
それをきっかけに、さらに不安感を抱いたり、自信喪失になったりする可能性があります。
そんなときは担当の先生に相談してみましょう。スクーリングのときにあなたと似たタイプや気が合いそうなタイプの人を紹介してくれます。
また、対人面での不安は、今後就職する上でも解決しておきたい問題です。通信制高校では就職のサポートもしているので、相談してみましょう。
もし通信制高校で友達ができない場合は?
中学校や過去に在籍していた高校で仲間はずれにされた経験がある人は、「通信制高校でも友達ができず、ひとりぼっちになったらどうしよう」という不安があるかも知れません。
しかし、通信制高校ではクラスがありません。そのため休み時間に教室の隅でポツンとしていたり、一緒にお弁当を食べる仲間がいなくてさびしいといったことは起こりません。
同じ悩みを持つ人がいる
通信制高校を選択する人は「過去に不登校になった」「過去にいじめや仲間はずれにされた」という人などあなたと同じようにひとりだったらどうしようという不安を抱えている人が多いので、「自分だけじゃない」と気持ちを強く持つといいですよ。
通信制高校は友達作りが目的ではない
一方、「社会人として忙しく働いている」という人や「子育てで忙しい」という人もいます。そういう人にとって友達ができるかどうかは大きな問題ではありません。限られた時間の中で少しでもレポートをこなして、卒業を目指しているからです。
たしかに友達がいる方が楽しいし、励みになるかも知れません。しかし、通信制高校で学ぶのは、必ずしも友達を作ることだけが目的ではないはずです。
友達がほしい場合は自分から積極的に声をかけていけばいいし、そうでない場合は本来の目的である「高校を卒業する」「将来のために役立つ勉強をする」ということに意識を集中するといいでしょう。