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教育特区に認定されている区域では株式会社による通信制高校も設立できる

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通信制高校を株式会社が運営?教育特区とは?

会社が運営
学校には、国が設置する国立校、都道府県や市町村が設置する公立校、学校法人が設置する私立校があります。

しかし、通信制高校の中には「株式会社」が設置している学校があります。その背景には「教育特区」があるのですが、一体どのような制度なのでしょうか。

そして、株式会社立の通信制高校とは?詳しくご説明していきます。

株式会社立の通信制高校が誕生した「教育特区」とは?

「教育特区」という言葉を聞かれたことがあるでしょうか?

教育特区は、当時の小泉内閣が規制緩和策として導入した「構造改革特別区域(構造改革特区)」のうち、教育分野の特区のことを指します。株式会社が学校を設置できるようになったのは、2003年(平成15年)10月からです。

出典:e-Gov法令検索『構造改革特別区域法』、総合規制改革会議『株式会社、NPO等による学校経営の解禁』

ちなみに構造改革特区には、教育分野のほかにも、さまざまな分野の特区があります。

教育特区の内容

教育特区(教育関連の構造改革特区)では、学校法人でなくても学校が設立できるように規制緩和を行いました。

具体的には「株式会社」が学校を設立することを可能にしたのです。

教育特区(株式会社立の学校)のメリットとデメリット

学校国の評価・調査委員会の調査(令和4年度)では、株式会社立の学校が、英語教育、不登校、IT・デジタル、学び直しなど特色ある教育の機会を提供する場として機能している点が挙げられています。

一方で、株式会社立の学校は「私学助成金」が受けられないというデメリットがあります。

出典:内閣府・文部科学省『構造改革特別区域基本方針の一部改正(構造改革特別区域法第12条第1項に基づく学校設置会社による学校設置事業関係)について(通知)』(令和6年6月28日)、e-Gov法令検索『私立学校振興助成法』

株式会社立の通信制高校はいくつある?

文部科学省の調査によると、令和7年5月1日現在、株式会社が設置する通信制高校は15校です。通信制高校は全部で323校(公立81校、私立227校、株式会社立15校)で、株式会社立の15校はすべて広域の通信制高校です。

また、特区で株式会社立として開校し、のちに学校法人に移行した学校もあります(下の「株式会社立から学校法人に移行した通信制高校」で紹介します)。

出典:文部科学省『令和7年度通信制高等学校実態調査に関する調査結果について』

株式会社立から学校法人化に移行する動きも

構造改革特区で株式会社が通信制高校を設置・運営することが認められた当初は、各地で教育特区が認定されました。

しかし、そこで開校した株式会社立通信制高校の中には学校法人に移行しているところがあります。

平成23(2011)年度に文部科学省が行った「学校設置会社による学校設置事業」の調査では、株式会社立の学校について次のような課題が報告されています。

  • 財政難
  • 生徒の定員割れ
  • 施設・設備の問題
  • 教育内容の問題

財政難

この調査によると、高等学校以下の株式会社立の学校の25%で、学校部門の収支が赤字でした(平成22年度)。

学校法人には認められるメリットが受けられない

株式会社立の学校は、私学助成を受けられません。学校法人が設置・運営している学校には私学助成や寄附に対する優遇措置がありますが、それが受けられないことは財政面で大きな差になります。

生徒が集まらない

この調査では、少子化のなかで今後さらに生徒の確保が厳しくなる可能性も指摘されています。

通信制高校も同じです。この調査では、大幅な定員割れが続く学校が多く、株式会社立の高等学校の定員充足率は平均43.3%でした。

生徒が集まらないと学費の納入額も減るため、財政難を招く一因になります。

施設・設備の問題

株式会社立の学校も、文部科学省令の基準に合う施設・設備を備える必要があります。

しかし、この調査では、通信制高校の校舎の面積の基準(原則1,200㎡以上)に満たない株式会社立の学校が3割あったと報告されています。

教育内容の問題も

株式会社立の通信制高校の面接指導・添削指導・試験は、特区の区域内で行う必要があります。

しかし、この調査では、特区の区域外に設置する学習施設や提携する民間教育施設で添削指導などを行っている例が報告されました。また、添削指導の8割以上を多岐選択式(選択問題)にしている学校が25%あったほか、成果物の提出で試験の替わりにする、試験問題が毎年同じといった例も報告されています。

令和6年3月には、国の評価・調査委員会がこの特例を「是正」と評価しました。高等学校では、特区の外で試験を行っていた例(3件)や、添削指導が正誤の記載だけで解説がなかった例(5件)などが報告されています。

出典:文部科学省『「学校設置会社による学校設置事業」調査結果(平成23年度)』、内閣府・文部科学省『構造改革特別区域基本方針の一部改正(構造改革特別区域法第12条第1項に基づく学校設置会社による学校設置事業関係)について(通知)』(令和6年6月28日)

進む学校法人化

平成23年度の調査の時点で、高等学校以下の株式会社立の学校25校のうち4校が学校法人に移行していました。学校法人への移行を念頭に置いている学校は55%でした。

国は、学校法人化を希望する学校に対して相談窓口を設けるなど、学校法人化を支援するとしています(令和6年の対応方針)。

株式会社立から学校法人に移行した通信制高校

以下の学校は株式会社として設立しましたが、現在は学校法人に移行しています。

  • さくら国際高等学校(2015年)
  • 北海道芸術高等学校(2015年)
  • くまもと清陵高等学校(2017年)
  • 代々木高等学校(2021年)
  • ECC学園高等学校(2024年)
  • 北海道教育学園三和高等学校(2024年)
  • 日々輝学園高等学校

北海道教育学園三和高等学校の2023年度までの校名は、札幌自由が丘学園三和高等学校です。かっこ内は学校法人に移行した年です(2026年10月時点の各校の公式サイトによる)。
出典:さくら国際高等学校『沿革』、学校法人恭敬学園『沿革』、くまもと清陵高等学校『学校紹介』、代々木高等学校『学校概要』、ECC学園高等学校『学校概要』、北海道教育学園三和高等学校『教育活動等の状況』、日々輝学園高等学校
今後も学校法人に移行する通信制高校が出てくる可能性があります。

ただ、株式会社立の学校のすべてに問題があるというわけではありません。学校を選ぶ場合は内容をよく確認して、検討することが大切です。

株式会社立の通信制高校とは

2003年から実施された構造改革の制度を利用して地方自治体が「教育特区」として認められると、特区内に株式会社が運営する通信制高校が設置されました。

国の調査では、株式会社立の学校が、英語教育や不登校、学び直しなど特色ある教育の機会を提供する場として機能している点が挙げられています。

一方で、文部科学省の調査(平成23年度)では、財政難や定員割れなどの課題も報告されています。

そのため、学校法人に移行している学校もあります。

学校選びの際には、学校の内容をよく調べて検討することが大切です。

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