高校中退から大学へ進学する方法|高卒認定・入り直し・推薦入試

高校を中退したとしても、そこから大学を受験・進学する方法がいくつかあります。
当記事ではそんな高校を中退した人や、中退を考えている人でも大学に進学する方法や、中退後に推薦や就職はできるのか解説していきます。
高校中退後の大学進学は何年生で中退したのかが重要になる
詳しくは後述していますが、高校を中退したあとに大学の受験・進学をするには「高校卒業資格」、もしくは高卒と同等の学力があるという証明である「高卒認定試験」の合格が必要です。
そして高校卒業資格と高卒認定試験の合格のどちらを目指すべきかは、中退をした時の学年によって異なってきます。
- 1年生で中退→高卒認定試験の合格
- 2年生で中退
大学を卒業する自信がある→高卒認定試験
大学を卒業する自信がない→高校卒業資格 - 3年生で中退→高校卒業資格
上記のようになるのは、高校を中退したのが何年生なのかによって修得している単位が違うので、どちらが楽なのかが大きく変わってくるためです。
1年生で中退した場合は修得した単位が少ないため、高卒資格を目指すとほぼ最初からになるので、大学に行くなら高卒認定試験を目指した方が早いことが多いです。
逆に3年生の場合は、範囲が広く9~10科目に合格しなくてはいけない高卒認定試験よりも、前の高校の単位と在籍期間を生かして、通信制高校などで残りの単位を修得して高卒資格を得る方が近道になりやすいでしょう。
2年生の場合は性格に応じて、どちらを選んでも良いでしょう。高卒認定試験に合格しても最終学歴は高校卒業にはならず、大学を卒業できなければ最終学歴は変わらないので、卒業する自信があれば高卒認定試験を、自信がない場合は最終学歴が高卒になる高卒資格を目指すのが無難です。
通信制高校選びに迷ったら

文部科学省が定める大学の入学資格
なお、大学(短期大学を含む)の入学資格は、文部科学省では次のように定めています。
- 高等学校又は中等教育学校を卒業した者(※)
- 特別支援学校の高等部又は高等専門学校の3年次を修了した者
- 外国において、学校教育における12年の課程を修了した者
- 外国における、12年の課程修了相当の学力認定試験に合格した18歳以上の者
- 高等学校卒業程度認定試験(旧大検)に合格した者(18歳以上)
などがあります。※中等教育学校は、中学校と高校の6年間の教育を1つの学校で行う学校で、6年間の課程を修了して卒業すると大学入学資格が得られます。
つまり、高校を卒業するか、高卒認定試験に合格すれば(18歳から)、大学を受験できます。
高校中退から大学受験・進学を目指す4つの方法
では、続いて高校を中退した後に大学進学を目指せる方法を紹介していきます。
高卒認定試験に合格する方法と、高校に入り直して高卒資格を得る3種類の方法の、計4つの方法で高校中退から大学進学を目指すことが可能です。
- 高卒認定試験の合格を目指す
- 別の全日制高校へ転入・編入する
- 定時制高校へ転入・編入する
- 通信制高校へ転入・編入する
この内のどの方法を選ぶかは、前述した通り中退をしたのが高校何年生なのかが重要になってきます。
高卒認定試験に合格する
高卒認定試験は「高校卒業と同等以上の学力がある」ことを認定するための試験です。
全科目に合格すると、大学・短大・専門学校の受験資格が得られます(18歳から)。試験は年2回(8月・11月)で、合格に必要なのは9~10科目ですが、合格した科目は次回以降に持ち越せます。
高卒認定試験の概要
| 受験資格 | 満16歳以上(試験日が属する年度の終わりまでに満16歳以上であること) |
|---|---|
| 受験科目 | 国語、地理、歴史、公共、数学、理科、英語、情報 (理科以外は必修。合格に必要なのは9~10科目) |
| 出願に必要なもの | 受験願書、受験料(収入印紙)、写真2枚、住民票または戸籍抄本 |
令和8年度の試験の場合です。理科は2科目か3科目を選びます。過去に合格した科目がある人は科目合格通知書を、高校で修得した単位などで科目の免除を申請する人は単位修得証明書などを、あわせて出します。
出願期間や出願方法などは、そのつど文部科学省のホームページなどで確認してください。
出典:文部科学省『令和8年度高等学校卒業程度認定試験実施要項』
受験料は、受験する科目数に応じて4,500円~8,500円(収入印紙)です。また、合格すれば一部の国家試験(幼稚園教員資格認定試験、小学校教員資格認定試験、保育士試験、第一種・第二種衛生管理者免許試験など)の受験が可能になるなど、メリットがあります。
出典:文部科学省『出願書類フローチャート』、文部科学省『高等学校卒業程度認定試験の合格を高等学校卒業と同等とみなしている採用試験、国家資格一覧』
ただ、高卒認定試験に合格しても最終学歴は高校卒業にはならないので、大学や専門学校に入学し、無事に卒業することが大切です。
出典:文部科学省『高等学校卒業程度認定試験Q&A 高等学校卒業程度認定試験とは』
もう1度全日制の高校に編入・転入する
一度でも高校に入学したことのある人は「高校に在籍していた」ことになるので、別の高校に転入・編入する手続きが取れます。
既に高校を中退している場合は編入、高校の中退を検討している方は転入となります。今の学校の環境が嫌で中退を検討していても、転入により環境が変われば問題なく全日制高校を卒業できるケースもあります。
一方、全日制の高校への編入は、受け付ける時期が限られていることが多いです。例えば都立高校では、第1学年以上の課程を修了して一度退学した人の編入学は、第一学期の募集に限られています。そのため、同級生よりも卒業が遅れることがあります。
出典:東京都教育委員会『都立高等学校の転学・編入学について』
また、都立高校の転学(転入)は、第1学年の第三学期以降は原則として同じ課程・同じ学科の間で行います。第1学年の第二学期の募集や、志願先の校長が認める場合は、異なる課程・学科へも出願できます。
ただ、細かい決まりは学校によって異なりますので、編入したい学校の場合は直接問い合わせてみるといいでしょう。
補足:編入と転入の違い
| 編入 | すでに高校を中退していて、別の高校に入り直すこと |
|---|---|
| 転入 | まだ高校に在籍していて、別の高校に入ること(転校と同じ意味) |
在籍していた高校で修得した単位は、編入・転入先の学校が認めれば引き継げることが多いので、事前に確かめましょう。
しかし、ここで注意しなくてはいけないのが、高校は「学年制」を取っているところが多く、1年生の途中で退学してしまうと単位を修得できていないと見なされる点です。
もし学年の途中で退学し編入する場合、学年の最初からスタートする事になる学校もあるので、事前の確認が必要です。
一方、転入は学年末に至らず単位を修得していない状態でも、転入先で引き続き勉強ができます。
中退後に全日制高校に通い直すときの注意点
ただ、全日制高校を中退後に再度全日制高校に通っても、再び合わずに中退したり、通信制高校に移ったりする人もいます。
特にいじめや学校が嫌で不登校や引きこもりになり、高校を中退した方は別の全日制高校であっても再度同じ状況になる可能性があるので慎重に検討してください。
定時制や通信制の高卒資格と全日制高校の高卒資格に違いはないので、「絶対に全日制高校じゃないとダメなんだ」という目的のある方以外は別の方法を使った方が良いでしょう。
定時制高校へ転入・編入する
定時制高校に転入・編入することで高卒資格を得ることも可能です。同様に以前の全日制高校で単位を修得していれば、その分を引き継ぐことができます。
また、定時制高校には夜間に授業をする学校のほか、昼間部のある昼夜間定時制の学校もあります。
授業は1日4時間のところが多く、例えば都立の夜間定時制では午後5時30分頃から午後9時頃までです。全日制高校よりも自由な時間が多いので、働きながら高校卒業を目指すことも可能です。
4年間での卒業が基本の学校が多い
授業のコマ数が少ない分、4年間での卒業を基本としている学校が多いのがネックです。ただ、条件を満たせば3年で卒業できたり、昼間にも授業をやっていたりする学校もあります。
この辺りはそれぞれの学校によって規定が異なるので、入りたいと考えている定時制高校があるなら事前に確認しておきましょう。
出典:東京都教育委員会『令和9年度東京都立高等学校定時制課程通信制課程入学案内』
通信制高校へ転入・編入する
高校中退から大学受験・進学を目指す場合、おすすめできるのがこの方法です。
通信制高校でも、全日制高校で修得した単位は転入・編入先が認めれば引き継げる他、以下のようなメリットがあるのが特徴です。
- 登校日数が年に数日や週1回のコースを選べるので負担が少ない
- 必修科目以外にもゲームや声優、イラスト、美容、スポーツなどのコースがある学校もある
- 授業料は就学支援金の対象なので、費用を抑えられる。前の高校の在籍期間は通算され、支給期間を超えた人は「学び直しへの支援」を最長24か月受けられる
- 働きながら自分のペースで単位を修得できる
- 全日制高校と同じ高校卒業の資格が得られる
上記のような事情から、3年生で中退した方や、2年生で中退して高校卒業の資格を重視する方には、通信制高校が向いています。
中退したのが1年生の場合は高卒認定試験を目指す道がおすすめですが、独学で勉強するのが苦手な場合は1年生であっても通信制高校へ編入するのも手です。
各学校の詳細は以下から無料の資料請求で確認できますので、まずは何校かの資料を一括で請求して確認してみると良いでしょう。
通信制高校選びに迷ったら

高校中退しても大学に推薦入試は受けられる?
結論から言うと、中退後に通信制高校などを卒業(見込み)すれば、その学校の推薦で学校推薦型選抜を受けられます。
学校推薦型選抜は、出身高校の校長の推薦が前提の入試です。そのため、在籍している高校での学習の成績や取り組みが大切になります。
総合型選抜(旧AO入試)も受けられる
高校中退後に通信制高校などを卒業(見込み)した人は、総合型選抜も受験できます。
高卒認定試験の合格者については、出願資格に高卒認定の合格者を含む大学もあります(募集要項で確認)。
高卒認定の場合は推薦を受けられない学校もある
ただ、高卒認定の場合は全ての大学で推薦入試を受けられるワケではありません。
※高校中退後に通信制高校などに転入し、卒業した場合は問題なし。
推薦入試の出願資格に、高卒認定試験の合格者を含めていない大学もあるので、志望する大学の募集要項をよく確認しましょう。
高校中退から大学進学すると就職で不利になる?
結論から言うと、大学を卒業すれば、最終学歴は大学卒業になります。
就職の応募の条件は、最終学歴で判断されることが多いです。
大学の中退には要注意
先程も軽く触れましたが、大学を中退してしまうと、最終学歴は高校中退(中退後、通信制高校などを卒業していた場合は高卒)になります。
大学を中退すると、履歴書には「高校中退」と「大学中退」の経歴が並びます。
大学を中退すると最終学歴は変わらないので、高校中退後に大学に入れた場合は、卒業を目標にしましょう。
高校中退から大学受験・進学を目指す方法まとめ
高校中退から大学受験・進学を目指す場合は今回紹介した4つの方法の内、もっとも自分に合っていそうなものを選びましょう。
- 高卒認定試験の合格を目指す
- 全日制高校に転入・編入する
- 定時制高校に転入・編入する
- 通信制高校に転入・編入する
どの方法もそれぞれメリット・デメリットがありますが、中退した学年や目的に合わせて選びましょう。
全日制高校の中退者は令和6年度に29,121人
文部科学省の「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」によると、令和6年度に全日制高校を中途退学した生徒は29,121人でした。
| 学科 | 中途退学者数(中途退学率) |
|---|---|
| 普通科 | 19,646人(0.9%) |
| 専門学科 | 7,414人(1.3%) |
| 総合学科 | 2,061人(1.4%) |
| 全日制の計 | 29,121人(1.0%) |
(中途退学率は、在籍者数に占める中途退学者数の割合)
出典:文部科学省『児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査』(令和6年度、e-Stat 表6-5)
高校を中退しても、高卒認定試験や高校への入り直しで大学への道は開けます。あなたが選んだ、あるいは選ぼうとしている中退という選択肢は、決して取り返しのつかない選択肢ではありません。
自分に合った選択肢を選び、大学への進学を成功させましょう。