高校の最低出席日数は何日?3分の2の目安と、ギリギリで留年しそうなときの対策

高校生の中には、出席日数が足りなくなり「このままだと学校を休みすぎて留年しそう」と頭を抱えている人もいるかと思います。
しかし、早めに対策をとることで、留年を避けられることもあります。
今回の記事では、高校で留年が決まる仕組みと、留年しそうな高校生ができる対策について紹介します。
高校の留年は「科目ごとの欠課時数」で決まる

高校の最低出席日数は、法律では定められていません。学校教育法施行規則では、校長が生徒の平素の成績を評価して課程の修了や卒業を認めるとされていて、出席日数の決まりはありません。単位の修得は、学習指導要領に従って学校が認めます。
出典:e-Gov法令検索『学校教育法施行規則』(第104条で準用する第57条)
そのため、都道府県の規則や学校の規程では、年間の欠席日数ではなく、科目ごとの欠課時数で単位の認定や進級を決めている例が多く見られます。欠課時数は、その科目の授業に出なかった時数のことです。
単位と授業時数の関係
学習指導要領では、1単位時間を50分とし、35単位時間の授業を1単位とすることを標準としています。週1時間の授業を1年間受けると1単位、週2時間なら2単位という計算です。卒業には74単位以上の修得が必要です。
1日欠席すると、その日の時間割にある科目がそれぞれ欠課になります。そのため、同じ曜日に休むことが多いと、その曜日にある科目から欠課時数が増えていきます。
出典:文部科学省『高等学校学習指導要領(平成30年告示)』(第1章 第2款3(1))、e-Gov法令検索『学校教育法施行規則』(第96条)
欠課時数の上限の例
欠課時数の上限は、都道府県の規則や学校の規程で決まります。公式に公表されている例は次のとおりです。
| 自治体・学校 | 決まり |
|---|---|
| 栃木県(県立学校管理規則) | 学校所定の学習時間の3分の2以上学習した生徒の単位を認定 |
| 静岡県立清水南高等学校 | 欠課が年間の授業時間数の3分の1以下なら履修を認定 |
| 沖縄県立普天間高等学校 | 科目の年間授業時数の3分の2以上の出席が必要 |
| 熊本県立阿蘇中央高等学校 | 授業時数の3分の2以上の出席で履修を認定 |
出典:栃木県『県立学校管理規則』(第13条)、静岡県立清水南高等学校『教務規程』(令和7年4月1日)、沖縄県立普天間高等学校『職員必携(抜粋)』(令和7年4月1日改定)、熊本県立阿蘇中央高等学校『学習評価規定』(令和7年度入学生用)
欠課時数の上限が授業時数の3分の1の場合、科目ごとの上限は次のようになります(当サイトの計算)。
| 週の授業時間 | 年間の授業時数 | 欠課の上限の目安 |
|---|---|---|
| 週1時間 | 35時間 | 11時間まで |
| 週2時間 | 70時間 | 23時間まで |
| 週3時間 | 105時間 | 35時間まで |
| 週4時間 | 140時間 | 46時間まで |
35単位時間を1単位とする標準で計算した例です。実際の授業時数や上限の割合、数え方は学校の規程で決まるので、在籍している学校で確かめられます。
遅刻・早退が欠課になる場合
遅刻や早退がどれだけで欠課になるかも、学校によって違います。静岡県立清水南高等学校の教務規程は「授業の2分の1以上の不在をもって欠課とする」としています。大阪府立大正白稜高等学校の生徒必携も、遅刻・早退などで授業の半分以上に出ていない場合を欠課としています。沖縄県立普天間高等学校では、授業が始まって25分を過ぎてから教室に入ると欠課の扱いです。
出典:静岡県立清水南高等学校『教務規程』(令和7年4月1日)、大阪府立大正白稜高等学校『生徒必携』(令和8年9月改訂版)、沖縄県立普天間高等学校『職員必携(抜粋)』(令和7年4月1日改定)
出席停止・忌引は欠席に数えない
インフルエンザなどの感染症にかかったときは、学校保健安全法第19条により、校長が出席を停止させることがあります。出席停止の期間は学校保健安全法施行規則で決まっていて、例えばインフルエンザは、発症した後5日を経過し、かつ解熱した後2日を経過するまでです。
学校の規程の例では、静岡県立清水南高等学校は出席停止と忌引を出席にも欠席にもならない日としています。沖縄県立普天間高等学校は、出席停止や忌引などの日を、出席しなければならない日数に含めていません。
出典:e-Gov法令検索『学校保健安全法』(第19条)、e-Gov法令検索『学校保健安全法施行規則』(第19条)、静岡県立清水南高等学校『教務規程』(令和7年4月1日)、沖縄県立普天間高等学校『職員必携(抜粋)』(令和7年4月1日改定)
年間の授業日数と「最低出席日数」の目安
年間の欠席日数で考えたいときの目安も紹介します。判定は科目ごとの欠課時数で行われるので、あくまでも目安です。
文部科学省の調査(令和7年度)では、全日制の公立高校の年間の授業日数は190~199日が最も多く、普通科などで59.2%でした。200~209日は24.3%でした。
仮に、授業日数に3分の2を当てはめて日数で計算すると、目安は次のようになります。実際は科目ごとの時数で判定されるので、あくまでも目安です。
| 授業日数 | 出席が必要な日数の目安 | 欠席できる日数の目安 |
|---|---|---|
| 190日の場合 | 127日 | 63日 |
| 200日の場合 | 134日 | 66日 |
出典:文部科学省『令和7年度公立高等学校等における教育課程の編成・実施状況調査の結果について』
「133日」という数字がよく見られますが、法令などで決まった数字ではありません。授業日数200日に3分の2を当てはめると133.3日なので、「3分の2以上」なら134日が目安になります。
授業日数や進級の条件は学校によって違うので、在籍している学校の規程で確かめられます。
留年(原級留置)が決まる時期と人数
文部科学省の調査では、令和6年度に高校で原級留置(留年)となった生徒は8,741人で、在籍者の0.3%でした。令和7年3月末の時点で、進級や卒業が認められなかった生徒の数です。
| 課程・学科 | 人数 | 在籍者に占める割合 |
|---|---|---|
| 全日制(普通科) | 3,108人 | 0.1% |
| 全日制(専門学科) | 1,196人 | 0.2% |
| 全日制(総合学科) | 401人 | 0.3% |
| 定時制 | 1,096人 | 1.5% |
| 通信制 | 2,940人 | 1.0% |
| 合計 | 8,741人 | 0.3% |
出典:文部科学省『令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査』(e-Stat、表6-7)
進級や卒業は、学年末などに開かれる学校の会議で決まります。例えば、沖縄県立普天間高等学校は1・2年生を学年度末成績判定会議、3年生を卒業判定会議で、熊本県立阿蘇中央高等学校は卒業及び進級認定会議で判定します。栃木県の県立学校管理規則は、その学年で修得すべき単位の3分の2以上を修得しない生徒などを、原級に留めおくことができるとしています。
出典:沖縄県立普天間高等学校『職員必携(抜粋)』(令和7年4月1日改定)、熊本県立阿蘇中央高等学校『学習評価規定』(令和7年度入学生用)、栃木県『県立学校管理規則』(第13条)
出席日数がギリギリで留年しそうなときの対策

担任の先生や学年主任に早めに相談すると、残りの欠課時数や、使える救済の仕組みを確かめられます。
補習・追認考査などの救済
学校によっては、欠課時数や成績が足りないときの救済の仕組みを規程で決めています。
- 沖縄県立普天間高等学校:不足した時数の補充は1科目につき単位数×2時間以内。単位が保留になった科目は、追認考査の結果で単位を認めることができ、その科目の評定は2になる
- 熊本県立阿蘇中央高等学校:出席時数の不足がわずかな場合は、本人の願い出で不足分の補講を行うことができる
- 静岡県立清水南高等学校:補習などの受講と、追認定試験の受験
救済があるかどうかや、いつ行われるかは学校の規程によるので、在籍している学校で確かめられます。
出典:沖縄県立普天間高等学校『職員必携(抜粋)』(令和7年4月1日改定)、熊本県立阿蘇中央高等学校『学習評価規定』(令和7年度入学生用)、静岡県立清水南高等学校『教務規程』(令和7年4月1日)
学校の外の相談先と出席扱い
教育支援センター(適応指導教室)は主に小・中学生向けの施設ですが、自治体によっては高校生も相談できます。
高校生が学校の外の公的機関や民間施設で相談・指導を受けた場合、校長の判断で指導要録上の出席扱いにできることがあります。
ただし、文部科学省の通知では、この出席扱いは科目の履修の認定に必要な授業への出席とは別のもので、履修の認定は在籍している学校の基準で行うとしています。出席扱いになっても、それだけで留年を防げるわけではありません。単位のことは、在籍している学校で確かめられます。
なお、令和元年10月25日と令和6年8月29日の文部科学省の通知は小・中学生についてのもので、高校生には次の平成21年3月12日の通知が当たります。
出典:文部科学省『高等学校における不登校生徒が学校外の公的機関や民間施設において相談・指導を受けている場合の対応について』(平成21年3月12日)
自宅で受ける授業で単位を取る制度
令和6年4月から、全日制・定時制の高校に通う不登校の生徒は、学校が実施していれば、自宅などで受ける遠隔授業や、授業に代えて行う通信教育で、合わせて36単位まで修得できるようになりました。この制度を使えるかどうかは、在籍している学校で確かめられます。
出典:e-Gov法令検索『学校教育法施行規則』(第88条の4・第96条)、文部科学省『高等学校等における多様な学習ニーズに対応した柔軟で質の高い学びの実現について(通知)』(令和6年2月13日)
通信制高校へ転入する
出席日数がギリギリで留年しそうな場合の対策として、通信制高校へ転入する方法もあります。
前の高校で修得した単位と在学した期間は、転入先の学校が認めれば引き継げます。単位制高等学校教育規程は、修得した単位と在学した期間に応じて転学を許可でき、前の高校で修得した単位を卒業に必要な単位数に加えることができる、としています。
出典:e-Gov法令検索『単位制高等学校教育規程』(第5条・第7条)
通信制高校への転入には、次のような面もあります。
スクーリング(登校)日数が少ない
通信制高校には、月1回や週1回、週3回など、登校日数を選べる学校があります。中には年5日程度の登校から卒業を目指せる学校もあります。
また、私立の通信制高校には、学力試験を行わず面接や作文などで選考する学校も多いので、たくさんの通信制高校から自分に合ったところを選べます。
相談できる体制のある学校が多い
文部科学省の調査(令和7年度)では、スクールカウンセラーに相談できる体制を整えている通信制高校は84.5%でした。不登校を経験した高校生が転入する場合も、相談しやすい環境の学校を選べます。
出典:文部科学省『令和7年度通信制高等学校実態調査に関する調査結果について』
不安や悩みが出た場合にすぐに相談できる環境だけでなく、登校が難しい高校生に対してもさまざまな対策を行ってくれる学校があります。
通信制高校選びに迷ったら

欠席日数は調査書にどう書かれるか
大学などを受験するときに出す調査書には、学年ごとの出欠の記録の欄があります。令和9年度の大学入学者選抜実施要項では、出席停止・忌引などの日数は記載しないことになりました。ただし、学校の事情で前と同じ方法で作る場合もあります。
また実施要項は、本人に責任のない病気やけがなどでやむを得ず欠席した日数について、志願者が不利益を受けないよう配慮することを大学に求めています。
出典:文部科学省『令和9年度大学入学者選抜実施要項』(調査書の様式、注意事項)
登校日数の少ない学校の例
ルネサンス高等学校

ルネサンス高校グループの2024年度の卒業率は97.8%です(1・2年次に必要な単位を修得して3年次を迎えた生徒の卒業率)。
ルネサンス高等学校の登校は最短で年5日です。スクーリングは、年に1回の「宿泊集中型」と、2回もしくは複数回に分けて参加する「分割型」から選べます。
大学への進学実績もあります。
第一学院高等学校

第一学院高等学校は、全国主要都市を中心に68キャンパス(2026年4月時点、提携キャンパス・グループ内キャンパスを含む)があります。
また、オンラインで学ぶ「Mobile HighSchool」もあり、授業もレポートの作成・提出もPCやタブレットで完結します。スクーリングは高萩校か養父校で行い、日程と日数は入学時期や履修単位数によって変わります。
高宮学院高等部

高宮学院高等部は、年5回の出席から高校卒業を目指せる学校です。
出席は、次のどの形でも高校卒業を目指せます。
- 週1日~5日…自由に選べます。
- 年5回…とびとびでも、連続して出席してもかまいません。
- 月に1回…毎月でなくてもかまいません。
曜日も平日や土日から選べるので、自分の都合に合わせてスクーリングの日を決められます。
また、少人数での授業だけでなく、一人ひとりに合わせた個別指導も行っています。
おおぞら高等学院
おおぞら高等学院は、屋久島おおぞら高等学校のサポート校です。
全国にキャンパスがあり、「みらい学科」の基礎コースは、週1日~5日(月曜日~金曜日)の中から自分のペースで登校できます。
基礎コースの授業はクラス形式で、少人数の個別形式での学習も選べます。
また、みらい学科には「個別指導コース」もあります。登校は週1日~5日から選べ、午後(12:50~17:20)からスタートする個別形式の学習で、一人ひとりに合わせた学習メニューに基づいて指導してくれます。
1~3年次のどの時期からでも、ほかのコースに変わることができます。
(各校の紹介は、2026年10月時点の公式サイトによる)
出典:ルネサンス高等学校『大子本校』、ルネサンス高校グループ『スクーリング』、第一学院高等学校『学校概要』、同『Mobile HighSchool』、高宮学院高等部、おおぞら高等学院『基礎コース』、同『個別指導コース』
通信制高校選びに迷ったら

高校の出席日数で留年しそうな場合の対策まとめ
高校の出席日数や留年について、この記事で紹介したことは次のとおりです。
- 留年は、年間の欠席日数ではなく、科目ごとの欠課時数で決まる例が多い
- 欠課時数の上限や遅刻の数え方は、都道府県の規則や学校の規程で決まる
- 出席停止や忌引を欠席に数えない学校がある
- 補習や追認考査などの救済を規程で決めている学校がある
- 学校の外での相談・指導の出席扱いは、履修の出席とは別
- 自宅で受ける授業で36単位まで修得できる制度がある
- 通信制高校へ転入すると、単位と在学期間を引き継げる場合がある
通信制高校の資料は無料で請求でき、登校日数や転入の時期を比べられます。