通信制高校卒業は就職で不利?就職率や就職における現状を解説

通信制高校の卒業は就職で不利になる?
卒業資格は全日制と同じ
通信制高校を卒業すると、全日制高校と同じ高校卒業の資格が得られます。
文部科学省の学校基本調査でも、通信制高校の卒業者に占める就職者の割合は14.1%で、全日制・定時制などの13.8%とほぼ同じです。くわしい数字は、下で紹介します。
通信制高校選びに迷ったら

採用選考で課程による差別的な扱いをしないよう国が求めている
高校を卒業する人の就職について、文部科学省と厚生労働省は、企業に向けた通知で「定時制課程及び通信制課程の卒業者と全日制課程の卒業者との間の差別的取扱い…が行われないよう」求めています。
東京都の高等学校就職問題検討会議の申し合わせも、定時制・通信制の課程を修了した人について、公正な選考を行うよう求めています。
出典:文部科学省・厚生労働省『令和9年3月新規中学校・高等学校等卒業者の就職に係る推薦及び選考開始期日等並びに文書募集開始時期等について』(令和8年2月25日)、東京都高等学校就職問題検討会議『申し合わせ』(令和8年3月3日)
面接で通信制高校のことを聞かれたとき
面接では、通信制高校に入学した理由や、どのように学んだかを聞かれることがあります。
通信制高校では、レポートの提出、スクーリング(面接指導)、試験で単位を修得します。入学した理由と、単位を修得した方法は、事実として説明できます。
通信制高校の卒業者の進路と就職先(学校基本調査 令和7年度)
卒業者の進路
| 進路 | 通信制高校 | 全日制・定時制など |
|---|---|---|
| 大学・短期大学など | 28.6% | 61.4% |
| 専門学校 | 22.9% | 14.4% |
| 就職者の割合 | 14.1% | 13.8% |
| 進学も就職もしていない人など | 26.1% | 3.3% |
通信制高校は令和6年度の1年間の卒業者91,809人、全日制・定時制などは令和7年3月の卒業者955,335人についての割合です。全日制・定時制などには、中等教育学校の後期課程と特別支援学校の高等部を含みます。大学・短期大学などには、通信教育部への進学も含みます。表にない進路(専修学校の一般課程、雇用期間の短い仕事など)もあるので、合計は100%になりません。
通信制高校の卒業者に占める就職者の割合は14.1%で、全日制・定時制などの13.8%とほぼ同じです。公立の通信制高校では18.5%、私立では13.7%でした。
就職した人の業種
通信制高校の卒業者のうち、就職した12,989人の業種で多いのは、次のとおりです。
| 業種 | 割合 |
|---|---|
| 製造業 | 20.7% |
| 宿泊業、飲食サービス業 | 12.4% |
| 卸売業、小売業 | 10.4% |
| 生活関連サービス業、娯楽業 | 9.6% |
| 建設業 | 9.1% |
割合は、令和6年度の1年間に通信制高校を卒業して就職した12,989人に対するものです。
出典:文部科学省『学校基本調査』(令和7年度、e-Stat の通信制の表303)
学校や職業安定所を通して就職した人の割合
就職した人のうち、職業安定所(ハローワーク)または学校を通して就職した人の割合は、次のとおりです。
| 課程 | 割合 |
|---|---|
| 通信制高校(令和6年度の1年間の卒業者) | 48.4%(就職者12,989人のうち6,285人) |
| 全日制高校(令和7年3月の卒業者) | 90.9%(就職者122,134人のうち111,035人) |
出典:文部科学省『学校基本調査』(令和7年度、e-Stat の通信制の表302、全日制・定時制の表292)
進学も就職もしていない人
通信制高校の卒業者には、進学も就職もしていない人(学校基本調査の「左記以外の者」)が26.1%います。
学校基本調査では、進学の準備をしている人、就職の準備をしている人、家事の手伝いをしている人などがここに入ります。自営業などで働いている人は、就職者の側に数えられています。
高校生の就職の仕組み(令和9年3月卒業者)
求人と応募の日程
高校を卒業する人の就職は、全国で決めた日程で進みます。令和9年3月に卒業する人の日程は、次のとおりです。
| 段階 | 日付 |
|---|---|
| ハローワークが企業の求人申込書の受け付けを始める | 6月1日 |
| 企業が学校へ求人を申し込み、学校訪問を始める | 7月1日 |
| 学校から企業へ応募書類を出し始める | 9月5日(沖縄県は8月30日) |
| 企業が選考と採用内定を始める | 9月16日 |
高校生向けの求人は、ハローワークが内容を確かめたあとに学校に出されます。応募は、学校かハローワークを通して行います。
出典:厚生労働省『令和9年3月新規高等学校等卒業者の就職に係る採用選考期日等を取りまとめました』(令和8年2月16日)、文部科学省・厚生労働省『令和9年3月新規中学校・高等学校等卒業者の就職に係る推薦及び選考開始期日等並びに文書募集開始時期等について』(令和8年2月25日)
1人1社の応募と、複数応募が認められる時期
学校を通した応募では、一定の期間は1人1社だけに応募する決まりを、都道府県ごとに申し合わせています。複数の会社に応募できるようになる時期は、地域によって違います。
例えば東京都の申し合わせ(令和9年3月卒業者向け)では、推薦開始日からは1人1社まで、10月1日以降は1人2社まで応募・推薦が認められます。ほかの道府県の企業に応募するときは、その道府県の申し合わせによります。
出典:東京都高等学校就職問題検討会議『申し合わせ』(令和8年3月3日)
応募の書類(全国高等学校統一用紙)
学校を通して新卒で応募するときの書類は、全国高等学校統一用紙の履歴書と調査書です。学校が作る調査書には課程の欄があり、全日制・定時制・通信制のどれかに〇を付けます。
卒業後に自分で応募するときは、厚生労働省の履歴書の様式例などを使います。様式例の学歴欄には、課程の書き方の決まりはありません。
出典:厚生労働省『公正な採用選考の基本』、厚生労働省『全国高等学校統一用紙』、厚生労働省『履歴書の様式例』
求人倍率と就職内定率
厚生労働省の取りまとめでは、令和8年3月に高校を卒業した人の求人倍率は4.12倍、就職内定率は98.9%でした(令和8年3月末現在)。令和9年3月に卒業する人の求人倍率は、7月末現在で3.60倍です。
これらは、学校やハローワークの紹介を希望した生徒についての値で、課程別の値はありません。
出典:厚生労働省『令和7年度 高校・中学新卒者のハローワーク求人に係る求人・求職・就職内定状況 取りまとめ(令和8年3月末現在)』、厚生労働省『令和8年度 高校・中学新卒者のハローワーク求人に係る求人・求職状況 取りまとめ(令和8年7月末現在)』
通信制高校の就職の支援
学校の求人と高卒就職情報WEB提供サービス
高校生向けの求人は学校に届き、応募は学校を通します。令和8年度の卒業生からは、学校が生徒にIDとパスワードを渡し、生徒は家庭のパソコンやスマートフォンで、保護者と一緒に高卒就職情報WEB提供サービスの求人を見られるようになりました。求人者への連絡は、学校を通して行います。
求人の見方や応募の手続きは学校ごとに違うので、登校日数の少ないコースでも、入学前に学校に確かめることができます。
出典:文部科学省・厚生労働省『令和9年3月新規中学校・高等学校等卒業者の就職に係る推薦及び選考開始期日等並びに文書募集開始時期等について』(令和8年2月25日)
学校の就職支援の例
学校の公表では、通信制高校の就職支援には次のような例があります。
| 学校 | 公表している支援 |
|---|---|
| 第一学院高等学校 | キャリアサポートセンターがあり、卒業後も就職・転職の相談ができる |
| ルネサンス高等学校 | 就職を希望する生徒に、採用面接の練習や履歴書の添削を行う |
| 日本ウェルネス高等学校 | 就職を希望する生徒に、求人情報を提供する |
| 鹿島学園高等学校 | 企業・進学相談会、オンラインの個別就職相談がある |
4校とも通信制高校です。第一学院高等学校の公表では、2026年の進路実績で就職等は543名でした。
(各校の紹介は、2026年10月時点の公式サイトによる)
出典:第一学院高等学校『キャリアサポート』、第一学院高等学校『進路実績』、ルネサンス高等学校『サポート』、日本ウェルネス高等学校『進路サポート』、鹿島学園高等学校『進路指導』
通信制高校の選び方は、次の記事で紹介しています。
通信制高校選びに迷ったら

在学中に資格を目指せるコースの例
通信制高校の中には、在学中に資格の取得を目指せるコースを置く学校もあります。美容の例は次のとおりです。
例えば第一学院高等学校の美容コースは、名古屋セントラル美容高等学院と連携し、高校生の間に美容師国家試験の合格を目指せます。
ルネサンス高等学校の美容師養成コースは、ハリウッド美容専門大学校と提携し、高校在学中の3年間で美容の基礎を学べます。
日本ウェルネス高等学校の名古屋キャンパスには「美容師養成専攻」があり、東海美容学校 通信科と提携しています。
高校卒業とあわせて、美容師養成施設の通信課程(3年)を修了すると、美容師国家試験の受験資格が得られます。
(各校の紹介は、2026年10月時点の公式サイトによる)
出典:第一学院高等学校『美容コース』、ルネサンス高等学校『美容師養成コース』、日本ウェルネス高等学校 名古屋『美容師養成専攻』
卒業後に仕事を探すときの相談先
高校を卒業したあとに仕事を探すときは、次のような公的な窓口があります。
| 窓口 | 対象 |
|---|---|
| わかものハローワーク | 正社員を目指す、おおむね35歳未満の人 |
| 地域若者サポートステーション | 働くことに悩みがある15~49歳の人 |
どちらも無料で利用できます。地域若者サポートステーションは、すべての都道府県にあります。在学中は、学校の進路の担当やハローワークに相談できます。
また国の指針は、新卒の採用枠に、卒業後少なくとも3年間は応募できるようにすることを、事業主の努力義務としています。
出典:厚生労働省『正社員就職を目指す若者の皆さまへ』、厚生労働省『地域若者サポートステーション』、厚生労働省『青少年雇用機会確保指針』
通信制高校からの就職まとめ
通信制高校を卒業すると、全日制高校と同じ高校卒業の資格が得られます。令和6年度の1年間の通信制高校の卒業者のうち、就職者の割合は14.1%で、学校やハローワークを通して就職した人は就職者の48.4%でした。
高校生の就職は、学校を通した応募と、全国で決めた日程で進みます。就職支援の内容は学校ごとに違います。
大学や専門学校への進学は、次の記事で紹介しています。
高卒認定試験の合格者の就職での扱いは、次の記事で紹介しています。
通信制高校のメリットとデメリット、学費は、次の記事で紹介しています。
通信制高校の資料は、下から無料で請求できます。
通信制高校選びに迷ったら
