通信制高校から大学進学は不利?大学進学率と進学を目指す方法

通信制高校は、さまざまな事情や目的をもつ人が、自分のペースで高校卒業を目指す学校です。
高校卒業資格を得るだけでなく、通信制高校から大学に進学する人もいます。大学進学のためのコースを設けている学校もあります。
このページでは通信制高校から大学進学を目指す方法や進学率などについてご説明します。
通信制高校から大学進学は不利?
結論から言うと、通信制高校の卒業者にも全日制高校の卒業者と同じく大学の入学資格があり、同じように大学入試を受けられます。なお、大学入試で提出する調査書には全日制・定時制・通信制の課程を書く欄があるので、通信制高校の卒業であることは大学に伝わります。
出典:文部科学省『令和9年度大学入学者選抜実施要項』(入学資格、調査書の様式)
総合型選抜や学校推薦型選抜での進学もできる
指定校推薦の枠の数などは学校によりますが、通信制高校からも全日制高校と同様に、総合型選抜や学校推薦型選抜で受験できます。
入試の種類も、全日制高校の卒業者と同じように選べます。
ただし、大学受験に向けた学力は、自分で計画的に積み上げる必要があります。
大学進学が不利と言われるのは学力が関係している事が多い
通信制高校だからという理由で大学進学が不利になることはそうないと説明しましたが、学力は大学進学に影響してくることはあります。
不登校などの様々な生徒の受け皿という一面もあり、基礎から学び直せるカリキュラムの学校もあります。また、学校やコースによっては進学よりも高卒資格の取得を目標にしているといった事情から、大学への進学率は全日制高校と比べて低くなっています。
通信制高校の大学進学率
| 課程 | 大学等進学率 | 専修学校(専門課程)進学率 |
|---|---|---|
| 通信制高校 | 28.6% | 22.9% |
| 全日制高校 | 63.4% | 14.7% |
| 定時制高校 | 19.0% | 19.8% |
通信制高校は令和6年度の1年間の卒業者(91,809人)、全日制高校・定時制高校は令和7年3月の卒業者(全日制914,207人、定時制14,950人)についての割合です。大学等進学率には、大学・短期大学の通信教育部への進学も含みます。
出典:文部科学省『学校基本調査』(令和7年度)(e-Stat 表284・表297)
上記の通り、通信制高校からの大学等進学率は、全日制高校(63.4%)の半分以下です。公立の通信制高校は17.1%、私立は30.0%で、公立と私立でも差があります。
世間で通信制高校が大学進学に不利と言われてしまうのは、この進学率の低さが原因の一つと言えるでしょう。
通信制高校の進路状況について
次に通信制高校の生徒の進路状況を見てみましょう。
文部科学省の学校基本調査(令和7年度)では、令和6年度の1年間に通信制高校を卒業した生徒は91,809人で、その内、大学等に進学した人は26,301人です。
つまり大学等進学率は28.6%です。大学・短期大学の通信教育部への進学を除くと24.3%になります。
通信制高校の卒業後の進路の割合
なお、通信制高校の卒業後の進路は、下記のようになっています。
| 卒業後の進路 | 人数 | 割合 |
|---|---|---|
| 大学等 | 26,301人 | 28.6% |
| 専修学校(専門課程)(※) | 21,013人 | 22.9% |
| 専修学校(一般課程)等(※) | 2,000人 | 2.2% |
| 公共職業能力開発施設等入学者 | 526人 | 0.6% |
| 就職者等 | 17,893人 | 19.5% |
| 上記以外 | 23,995人 | 26.1% |
| 不詳・死亡 | 81人 | 0.1% |
| 計 | 91,809人 | 100.0% |
出典:文部科学省『学校基本調査』(令和7年度)(令和6年度間の通信制高校の卒業者、e-Stat 表297)
※:専修学校の専門課程とは高等学校卒業程度の人が対象で、高等学校における教育の基礎の上に職業や実際生活に必要な能力を育成するところです。
一方、専修学校の一般課程は特に入学資格は設けられておらず、教養の向上などを目的としています。大学受験の予備校なども含まれます。
通信制高校から大学進学を目指す方法
通信制高校は全日制高校に比べて大学等進学率が低く、大学進学を目指すには計画的な準備が必要です。
しかし以下のような方法で、通信制高校から大学進学を目指すことも可能ですので参考にしてください。
進路サポートが充実している通信制高校を選ぶ
通信制高校には公立と私立があり、授業の多くは自宅学習になります。
私立の通信制高校には、先生が生徒の個別相談に応じたり、カウンセラーに相談できる体制を整えたり、将来に繋がるさまざまなコースを設けたりと、進路のサポートに力を入れている学校もあります。
しかし通信制高校の授業は自宅学習が中心のため、サポートがなければ卒業まで勉強のモチベーションが続かない生徒も少なくありません。
卒業までのサポートの手厚さは学校によって違うので、資料や説明会で確かめましょう。
そもそも卒業しなければ大学進学はできません。また、大学進学のコースを設けている学校もあります。
そのため、大学進学を目指すなら、「卒業までのサポートがある」「進学のサポートがある」「大学進学コースがある」の3つを確かめて、通信制高校を選ぶと良いでしょう。
下記の無料の資料請求を確認して、もし気に入った学校があれば資料を請求してみることをおすすめします。
通信制高校選びに迷ったら

高校卒業でなく大学進学を目標にする
通信制高校に限らずよくあるのが、高校の後に続く大学進学でなく「高校を卒業する」ことを目的にしてしまうパターンです。
高校はあくまでも通過点に過ぎないのですが、高校卒業を目的にしてしまうと、勉強のペースが甘くなりがちです。
通信制高校には、中学校の内容から学び直せる科目を用意している学校もあります。
そのため、進学コースに進んだり自分から先生に質問をしたりしなければ、いざ大学受験をするときに学力が届かないこともあります。
受験勉強に集中できる
全日制高校では受験科目以外の授業や部活動があります。通信制高校でも必履修科目は勉強しますが、登校日数の少ないコースなら、自分のやりたい勉強に時間を使いやすいというメリットがあります。
自身の将来のための勉強という意識を持つ
大学進学をする上でもっとも重要なのは、進学は他の誰でもない自分自身の将来のためにするという意識を持つ事です。
親に言われたり、先生に言われたりしたから大学進学を目指す、勉強しているという方も多いと思います。
しかし、親や先生に言われてイヤイヤ仕方なく勉強するのと、自分の将来のために自ら勉強をするのとでは、身につく学力も勉強の姿勢も大きく変わります。
通信制高校で行われている主な大学進学サポート
通信制高校では大学進学に向けて、どのようなサポートをしているのでしょうか。
私立の通信制高校には、さまざまなサポートを実施している学校もあるので、いくつかの例をご紹介します。
個別指導による丁寧な指導
全日制高校の授業は、多くの生徒が一緒に受ける一斉授業です。年間のカリキュラムに沿って授業が進められるので、途中でわからなくなったり、ついていけなくなったりしたときは、自分から先生に質問に行く必要があります。
また、教える側も多くの生徒に一斉授業をするため、個々の生徒の理解度に合わせにくいこともあります。
その結果、どこかでつまずいたときは、自分で勉強するか、学校とは別に学習塾を利用することになりがちです。
通信制高校には、個別授業に力を入れている学校もあります。
マンツーマンや少人数授業は学力に合わせた指導が可能
個別指導や少人数授業のメリットは、生徒のつまずいている点や理解できていない点を気軽に聞きやすく、教師側もいち早く気づいて丁寧に指導できる点にあります。
わからないところをそのままにすれば次の勉強も分からないまま終わってしまいますが、着実に理解してから次に進めるので学習の成果が出やすくなります。
また、理解できないから勉強がつまらないと感じる人もいます。理解できれば勉強の楽しさを実感できるので、通信制高校に通ったのをきっかけに勉強が好きになり、難関大学に合格する生徒もいます。
生徒個人に合わせたカリキュラムの作成
全日制高校であっても生徒によって学力に差がありますし、得意科目・不得意科目も生徒によって異なります。
全日制高校は生徒の人数が多いので、一人ひとりに合わせた指導をする余裕がないこともあります。
一方で通信制高校には、入学前に学力を把握し、生徒ひとりひとりの学力に合わせたカリキュラムを組んでいる学校もあります。
それにより、つまずいていた部分を解決して、確実に学力を伸ばしていくことができます。
大学進学・特別進学コースを用意している
通信制高校は基本は自宅学習が中心ですが、大学進学を目指す人向けの「大学進学(特別進学)コース」では、キャンパスへの通学ができる学校もあります。
登校日数は学校やコースによって違うので、自分に合ったペースで通えるかを確かめましょう。
コースの内容
例えば第一学院高等学校の「プレミアムコース/大学進学専攻」では、スタンダードコースの学習に加えて、進学予備校のライブ配信授業やウイングネット(映像授業)を活用して、志望校合格を目指します。
科目や講座が増えても、テキストも含めて追加料金はかかりません。
出典:第一学院高等学校『大学進学専攻』(2026年10月時点の公式サイトによる)
受験に強いサポート校と連携している
通信制高校の中には、大学進学に力を入れているサポート校と連携している学校もあります。
サポート校では、大学進学の勉強だけでなく、卒業のための日々の学習やレポート提出、単位修得の支援もしてくれます。スポーツやアート、芸能、アニメといった様々なコースを設けているサポート校もあります。サポート校の費用は就学支援金の対象外で、通信制高校の学費とは別にかかります。
通信制高校から合格者が出た大学の例
私立の通信制高校の中には、毎年大学合格者を出している学校もあります。
以下に主な例として、各校の公式サイトに載っている合格実績を紹介します。
ルネサンス高校グループの合格例(2025年度)
国公立大学
京都大学 / 静岡文化芸術大学 / 豊橋技術科学大学 / 大阪公立大学 / 京都教育大学 / 福知山公立大学 / 琉球大学 など
私立大学
慶應義塾大学 / 立教大学 / 青山学院大学 / 学習院大学 / 日本大学 / 駒澤大学 / 東洋大学 / 法政大学 / 中京大学 / 南山大学 / 愛知大学 / 名城大学 / 関西学院大学 / 関西大学 / 同志社大学 / 立命館大学 / 近畿大学 / 龍谷大学 / 京都産業大学 など
ルネサンス高等学校・ルネサンス豊田高等学校・ルネサンス大阪高等学校のグループ校の実績です(2026年4月更新)。
出典:ルネサンス高校グループ『合格実績』(2026年10月時点の公式サイトによる)
難関大学の合格者を出している通信制高校もある
例えばN高等学校などのN高グループの2026年の大学合格実績には、東京大学(3名)があります。
クラーク記念国際高等学校の2025年度の合格実績には、一橋大学・大阪大学・名古屋大学などの国立大学があります。
出典:N高グループ『大学合格実績』、クラーク記念国際高等学校『主な大学合格実績』(2026年10月時点の公式サイトによる)
このように、通信制高校から難関大学に合格する人もいます。
重要なのはどの高校に在籍しているかよりも、個人の気持ちと努力と言えるでしょう。
大学合格実績を見るのがポイント
通信制高校から大学進学を希望する人は、事前に通信制高校の大学進学への取り組みや合格実績などを確認しましょう。
進学に力を入れている通信制高校は、ホームページに特進コースや進学コースの有無、年度ごとの合格実績などを掲載しています。
まずはいくつかの通信制高校をチェックし、その中で自分に合った学校を選ぶのがポイントです。
事前に無料の資料請求をしたり、学校説明会に参加したりすると、大学進学に対する取り組みや実績がわかるのでおすすめです。
通信制高校選びに迷ったら

通信制高校から大学進学まとめ
今回は通信制高校から大学進学は不利なのか、また大学進学したい場合はどうすればいいのかなどを紹介しました。
通信制高校からも大学進学はできます。進学に力を入れている学校やサポート校を活用すれば、大学進学を目指しやすくなります。
「大学進学を考えているけど通信制高校だと進学できるのか不安…」「大学進学したいけど通信制高校に通っていいの?」と悩んでいる方も、通信制高校を選択肢にしてみてください。
ただし、大学進学を目指すなら、進学のサポートや合格実績を確かめて学校を選ぶようにしてください。