不登校の中学生への親の対応|関わり方・相談先・進路の調べ方

中学生の子どもが不登校になってしまった場合、親としてはどういう対応をしたらいいのか分からなくなりますよね。
この記事では、不登校の中学生の子どもに親ができる対応と、中学生の不登校について学校が把握していることを解説していきます。
中学生の不登校の現状と、学校が把握したこと

小学校から中学校に上がると、不登校の子どもの数は大きく増えます。令和6年度の文部科学省の調査では、小学6年生の不登校は38,080人でしたが、中学1年生では58,736人でした。
出典:文部科学省『令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要』
学年別の不登校の人数
令和6年度の不登校の人数を学年別に見ると、次の通りです。学年が上がるほど人数も割合も増えています。
| 学年 | 不登校の人数 | 在籍者に占める割合 |
|---|---|---|
| 小学6年生 | 38,080人 | 3.7% |
| 中学1年生 | 58,736人 | 5.6% |
| 中学2年生 | 77,066人 | 7.2% |
| 中学3年生 | 80,464人 | 7.5% |
| 中学校の計 | 216,266人 | 6.8% |
出典:文部科学省『令和6年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果』(4-4 学年別不登校児童生徒数)
中学生や小学生の不登校の人数は、下の記事で紹介しています。
学校が把握した事実
文部科学省の同じ調査では、不登校の中学生216,266人について、学校が把握した事実(複数回答)を調べています。主なものは次のとおりです。
- 学校生活に対してやる気が出ない等の相談があった:30.1%
- 不安・抑うつの相談があった:24.4%
- 生活リズムの不調に関する相談があった:24.3%
- 学業の不振や頻繁な宿題の未提出が見られた:15.7%
- いじめ被害を除く友人関係をめぐる問題の情報や相談があった:14.1%
- いじめの被害の情報や相談があった:1.1%
出典:文部科学省『令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要』
これは不登校の原因を調べたものではありませんが、中学生の不登校には、気持ちの不調や生活リズム、勉強、人間関係など、いくつかの事情が関わっていることがわかります。ここからは、中学校に上がって起こりやすい変化を見ていきましょう。
人間関係の変化
小学校から中学校に上がる際、小中一貫校などの場合を除いて複数の小学校の子どもたちが集まってきます。
その結果、今まで関わったことのない人が一気に増えるため、対人関係が苦手な子どもにとっては負担が大きくなることもあります。
さらに、友人関係のトラブルやいじめがきっかけで、学校に行きづらくなることもあります。
勉強のストレス
中学校に入ると、勉強の内容は小学校の頃と比べて難しくなります。授業に身が入らなかったり、「なぜ勉強しないといけないの?」と感じたりする子どももいます。
また、真面目に授業を受けていても、わからない部分が増えると、そこからついていけなくなって自信をなくしてしまう子どももいます。
上の調査でも、不登校の中学生の15.7%で、学業の不振や頻繁な宿題の未提出が見られました。
進路に対する不安やプレッシャー
中学校生活を何気なく過ごしていても、いずれは進路という選択をしなければいけません。
しかし「できるだけ学力の高い高校へ行きなさい」「お父さんの高校より上のところへ行かなきゃダメ」など、親から進路について強く言われ続けると、子どもが追い詰められてしまうこともあります。
また、親から言われていなくても、子ども自身が「いい高校に行かなきゃ」「〇〇さんよりもいい高校に行ってやる!」など、自分を追い込んでしまう場合もあります。
不登校の中学生への親の関わり方

不登校の中学生の子どもに、親ができることを紹介します。
子どもが安心して過ごせるよう、次のことを心がけましょう。
子どものこれまでの努力を認める
不登校の中学生の中には、親の期待に応えようと勉強を続けて、心も体も疲れている子もいます。
勉強を無理にすすめる前に、これまでの努力と、今できていることを認めるところから始めましょう。
子どもの話を聞く
不登校のときは、そっとしておいたほうがよいと考えて、親子の会話が減ることがあります。
子どもが話したいときは、ささいなことでも話を聞くようにしましょう。
学校の話題ばかりにしない
子どもが不登校になると通ってほしいと思うあまり、「今、学校の文化祭の時期だね!去年はこうだったよね」など学校に対して興味が湧きそうな話題を話してしまいますよね。
しかし、学校のことばかり話すと、子どもは「親は学校の話ばかりでうんざり」と感じてしまうこともあります。学校のことに興味を向けさせるための話が、かえって負担になることもあるのです。
そのため、不登校の中学生の子どもを持つご家庭では学校の話ばかりせず、趣味の話や最近楽しかった話や悩みの話など日常的な会話を行うようにしましょう。
進路の選択肢を一緒に調べる
不登校の中学生の子どもは、心の内で「進路はどうしたらいいんだろう」「不登校でも進学できるのかな…」と悩んでいることもあります。
不登校を経験した中学生も、全日制のほか、通信制や定時制など、さまざまな種類の高校に進学しています。
文部科学省の追跡調査では、平成18年度に中学3年生で不登校だった人の高校進学率は85.1%でした。
出典:文部科学省『不登校に関する実態調査(平成18年度不登校生徒に関する追跡調査報告書)』
中でも不登校の中学生におすすめなのが通信制高校です。もちろん、環境を変えるために全日制高校を選ぶ子もいます。
ただし、全日制高校は基本的に週5日の登校が前提です。
そのため、毎日登校するのが辛い、勉強面の不安が強いという中学生の子どもには、負担が大きいこともあります。
一方で通信制高校には、自分のペースで通える学校があります。子どもが進路に悩んでいるようなら、通信制高校も含めて、進路の選択肢を一緒に調べてみましょう。
不登校の経験がある中学生の高校入試での内申(調査書)や欠席日数の扱い、進学先の種類は、次の記事で紹介しています。
国の考え方:学校に戻すことだけが目標ではない
文部科学省は、不登校の児童生徒への支援について、次のように示しています。
不登校児童生徒への支援は,「学校に登校する」という結果のみを目標にするのではなく,児童生徒が自らの進路を主体的に捉えて,社会的に自立することを目指す必要があること。
教育機会確保法では、国や地方公共団体は、不登校の児童生徒の休養の必要性を踏まえて、その子の状況に応じた学習活動が行われるよう、本人と保護者に情報の提供や助言などの支援を行うとされています。
出典:文部科学省『不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)』(令和元年10月25日)、e-Gov法令検索『義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律』(第13条)
保護者が相談できるところ
子どもの不登校は、保護者だけで抱え込まずに相談できます。子どもが一緒でなくても、保護者だけで相談できる窓口もあります。
- 学校の担任の先生やスクールカウンセラー:スクールカウンセラーは、児童生徒へのカウンセリングのほか、教師や保護者への助言・援助も行います
- 教育支援センター:教育委員会などが置く公的な施設で、不登校の児童生徒の相談・指導や学習の支援を行います
- 文部科学省の『子供のSOSの相談窓口』のページで紹介されている、電話やSNSの相談窓口
出典:文部科学省『令和8年度スクールカウンセラー・スクールソーシャルワーカーによる教育相談体制の充実』、文部科学省『教育支援センター整備指針(試案)』、文部科学省『子供のSOSの相談窓口』
何故不登校の中学生に通信制高校がおすすめ?

不登校の中学生になぜ通信制高校がおすすめなのか、理由は大きく分けて4つあります。
登校(スクーリング)の日数が少ないコースを選べる
通信制高校は、学校やコースによって登校(スクーリング)の日数が大きく違います。
令和7年度の文部科学省の調査では、323校のうち、週1日の通学コースを開設している学校が128校、集中スクーリングを前提としたコースを開設している学校が113校、週5日の通学コースを開設している学校が90校ありました。
出典:文部科学省『令和7年度通信制高等学校実態調査に関する調査結果について』
登校するのに多くのエネルギーを使う子どもにとって、登校日数の少ないコースを選べば、通う負担を減らせます。
生徒の学力に合わせてカリキュラムを組んでくれる学校もある
通信制高校には、生徒の学力に合わせて一人ひとりのカリキュラムを組んでくれる学校もあります。
そうした学校なら、勉強の遅れが不安な子どもも、自分に合ったところから学び直せます。
自分のやりたいことができる
登校日数の少ないコースなら、空いた時間を趣味ややりたいこと、資格の勉強などに使えます。
さらに、ファッションやネイル、eスポーツ、芸能、美容師、海外留学など、さまざまなコースを設けている学校やサポート校もあり、子どものやりたいことを学びながら高校卒業を目指せます。
卒業できるようにしっかりとサポートしてくれる
自宅学習でレポートや課題をこなすため自主性が問われると思われがちな通信制高校ですが、生徒へのサポートに力を入れている私立の通信制高校もあります。
例えばルネサンス高等学校などのルネサンス高校グループでは、2024年度の卒業率が97.8%(1・2年次に必要な単位を修得して3年次を迎えた生徒の卒業率)でした。
出典:ルネサンス高校グループ(2026年10月時点)
不登校の中学生の子どもに対する親の対応まとめ
不登校の中学生の子どもに、親ができることをまとめます。
- 子どものこれまでの努力を認める
- 子どもの話を聞く
- 学校の話題ばかりにしない
- 学校や相談窓口に相談する
- 通信制高校も含めて、進路の選択肢を一緒に調べる
通信制高校の学費は、下の記事で紹介しています。学校ごとのコースなどの詳しい内容は、各校の資料を取り寄せて確かめましょう。
