不登校の中学生の勉強方法|塾・家庭教師・教育支援センターと進路

勉強ができない(したくない)という状態は、中学校に通ううえで負担になりやすいものです。文部科学省の調査(令和6年度)では、中学校の不登校の生徒について学校が把握した事実として、「学校生活に対してやる気が出ない等の相談があった」が30.1%、「学業の不振や頻繁な宿題の未提出が見られた」が15.7%でした(複数回答)。
出典:文部科学省『令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要』
子どもはもちろん、その親もさまざまな悩みを抱えています。
そこで今回は勉強ができない(したくない)という悩みを抱えている不登校の中学生やその親御さんに向けて、これからどうするべきなのかや勉強方法について解説していきます。
勉強できない(したくない)不登校中学生はどうするべき?

まずは、自分がどのような状態なのかを把握するところから始めましょう。
そこで勉強できない(したくない)不登校中学生は、どういったことから始めるべきなのか見ていきましょう。
まず無理に勉強はしない
結論から言ってしまうと、勉強に意欲が湧かないうちは無理に勉強する必要はありません。不登校の子どもは、人間関係などのストレスで、心や体が疲れていることがあります。
その際に無理に勉強をすることでエネルギーが更に枯渇し、勉強への焦りや不安が出やすい状況になりやすいのです。
心や体の調子を崩すこともあるので、勉強に対する意欲が湧かないうちは無理に勉強をする必要はないでしょう。
教育機会確保法は、不登校の児童生徒の休養の必要性を踏まえた支援を行うことを定めています。
出典:e-Gov法令検索『義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律』(第13条)
勉強以外の活動をする
勉強の意欲が湧かないうちは無理をせず、勉強以外の活動から始めてみましょう。
子どもの好きなことや興味のある活動から始めるのも、一つの方法です。
親は、勉強をすぐに再開させようとするよりも、子どもが取り組んでいる活動を見守りましょう。
エネルギーが充電されたら勉強をしてみる
勉強以外の活動で心身ともにしっかりとエネルギーを補充ができたら、勉強に取り組むようにしましょう。
エネルギーを補充できる早さには個人差がありますが、以前よりイキイキとしたり、意欲的になってきたときが勉強のはじめどきです。
エネルギーがしっかり補充されている状態で勉強を始めることで、以前と違いスムーズに取り組みやすくなるでしょう。
勉強できない(したくない)不登校中学生に最適な勉強方法
勉強方法1.塾に通う

勉強ができない不登校中学生に最適な勉強方法の一つとして“塾に通う”というものが挙げられます。
こう聞くと「学校が行けないのに塾なんて無理なんじゃ…」と思うかもしれません。しかし塾にはさまざまな種類があります。
代表的なものには集団指導や個別指導などがありますが、子どもに合った塾に通うことで勉強に取り組みやすくなります。
質問しやすい塾を選べば、学校では置いていかれがちな分からない部分も、その場で解決しやすくなります。
多少のコストはかかりますが、決まった時間に塾に行く習慣がつくことで生活リズムも整いやすくなるので、勉強のできない不登校の中学生におすすめです。
勉強方法2.家庭教師をつける
家庭教師をつけて家で勉強を教えてもらうという方法も、不登校の中学生に最適な勉強方法と言えるでしょう。
家庭教師はマンツーマンなので、子どもの理解に合わせて教えてもらえます。
集団指導の塾に比べると費用が高くなりやすいですが、以下に当てはまる中学生におすすめの勉強方法です。
- 外に出るのが不安だけど勉強したい子
- 勉強に自信がないけど確実に理解した上で進みたい子
高校に進んでから、家庭教師のサポートを受けられる学校もあります。
勉強方法3.フリースクールへ通う
フリースクールと呼ばれる民間の施設に通うのも、勉強できない不登校の中学生に合った勉強方法の一つです。
フリースクールでは学習支援だけでなく相談やカウンセリングをすることができ、芸術活動のレクリエーションもあるなどさまざまな取り組みをおこなっています。
自分に合っている特色の施設を選ぶようにしましょう。
フリースクールは学校教育法の学校ではありませんが、保護者と学校がよく連携していることなどの条件を満たせば、在籍している中学校の校長の判断で、通った日を出席扱いにできる場合があります。まずは中学校に相談してみましょう。
令和6年度に、学校外の機関等で相談・指導等を受けて指導要録上の出席扱いとなった小・中学校の不登校児童生徒は42,978人でした。この42,978人には、教育支援センターで出席扱いとなった23,368人も含まれます。
出典:文部科学省『義務教育段階の不登校児童生徒が学校外の公的機関や民間施設において相談・指導を受けている場合の指導要録上の出欠の取扱いについて』、文部科学省『令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要』(p.4)
勉強方法4.家庭学習をする
教材を自身で購入して個人で勉強、または親御さんに教えてもらいながら勉強する方法もあります。
家庭学習は自分のペースで行うことができるだけでなく、コストをかなり抑えることができるのがメリットです。
ただ、苦手な分野の勉強や、つまずいたときに質問できる人がいないと挫折しやすいので、身の回りにそういった方がいる場合におすすめの勉強方法と言えるでしょう。
自宅でICTなどを使って学習した場合も、条件を満たせば、校長の判断で出席扱いにしたり、その成果を評価に反映したりできることがあります。
令和6年度に、自宅でICT等を活用した学習活動を指導要録上の出席扱いとした小・中学校の不登校児童生徒は13,261人でした。
出典:文部科学省『不登校児童生徒が自宅においてICT等を活用した学習活動を行った場合の指導要録上の出欠の取扱いについて』、文部科学省『令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要』(p.4)
勉強方法5.通信制高校の中等部(中学生向けのコース)を利用する
通信制高校の中には、中学生向けのコース(中等部など)を開いている学校もあります。これは学校教育法の中学校ではなく、民間のコースなので、中学校の籍はそのままで通います。出席扱いになるかは、在籍している中学校の校長が判断します。
個人の学習の状況に合わせて、個別に授業を行うところもあります。
通う日数を自分で選べるところもあるので、自分のペースで勉強を進めやすくなります。
また、不登校の中学生にとって“進路”も悩みの一つです。中学生向けのコースに通うと、同じ学校の高等部(通信制高校)に進みやすい場合もあります。
勉強方法6.教育支援センターに通う
教育支援センターは、教育委員会などが置く公的な施設です。不登校の児童生徒の集団生活への適応、情緒の安定、基礎学力の補充、基本的生活習慣の改善などのための相談・指導(学習指導を含む)を行います。
令和6年度は、教育委員会が設置する教育支援センターが全国に1,873か所ありました。令和6年度に教育支援センターで相談・指導等を受けた小・中学校の不登校児童生徒は32,240人で、このうち23,368人が指導要録上の出席扱いとなりました。
利用できるセンターや通い方は、住んでいる市区町村の教育委員会や中学校に確かめましょう。
出典:文部科学省『教育支援センター整備指針(試案)』、文部科学省『令和6年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果』(表4-9・4-14)
勉強できない(したくない)不登校中学生の進路は?
勉強のできない(したくない)不登校中学生にとって“進路”はどのような進路の選択肢があるのでしょうか。
そこで、勉強できない(したくない)不登校の中学生の進路について見ていきましょう。
中学校の卒業はどう決まる?
中学校の卒業は、校長が生徒の平素の成績を評価して認めます。学校生活への適応が難しく、長い期間欠席した生徒については、欠席中に行った学習の成果を考慮することができます。
令和6年度は、欠席中の学習の成果を指導要録に反映した小・中学校の不登校児童生徒が81,467人いました。卒業の見通しが心配なときは、中学校に相談しましょう。
出典:e-Gov法令検索『学校教育法施行規則』(第57条・第79条)、文部科学省『令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要』(p.4)
就職する
勉強できない(したくない)不登校中学生の進路の一つとして“就職する”というものが挙げられます。
早期に働くことで、社会の仕組みを知ったりお金を稼ぐことができるのは大きなメリットでしょう。
ただし、中学卒業で就職する場合は、応募できる求人が限られることがあります。
就職したあとも、仕事に必要な知識や資格を身につけるために学ぶ場面があります。
通信制高校へ通う
勉強のできない(したくない)不登校中学生の進路として、“通信制高校へ通う”といった選択肢もあります。
私立の通信制高校には、書類と面接・作文で選考する学校が多くあります。公立では、都立の通信制高校のように学力検査を行う学校もあります。
出典:東京都『令和9年度東京都立高等学校入学者選抜実施要綱・同細目について』
また、登校(スクーリング)の日数が少ない学校やコースもあります。
ファッションやネイル、eスポーツ、声優、漫画など、好きなことやスキルを生かせるコースを置く学校もあります。
勉強のできない(したくない)不登校中学生になぜ通信制高校がおすすめ?

勉強のできない(したくない)不登校の中学生の進路として通信制高校をなぜおすすめするのか解説していきます。
勉強以外の興味のあることにチャレンジできる
先ほども少し解説しましたが、通信制高校には、ペットサロンやネイル、プログラミングや芸能など、勉強以外の分野に特化した授業やコースを置く学校もあります。
勉強以外にも、興味のある分野を学べる学校があります。
「興味のあることには集中できるが勉強となると続かない…」といった方には通信制高校は特におすすめすることができます。
サポート体制が充実している
文部科学省の調査(令和7年度)では、スクールカウンセラーに相談できる体制を整えている通信制高校は84.5%でした。
また、一人ひとりに合ったカリキュラムを組んでくれる学校もあります。
出典:文部科学省『令和7年度通信制高等学校実態調査に関する調査結果について』
通信制高校では課題やレポートをこなす必要がありますが、卒業に向けてサポートしてくれる学校もあるので、自分のペースで学びやすい環境です。
勉強のできない(したくない)不登校中学生まとめ
勉強ができない、勉強したくないと感じている中学生には、休養をとることも含めて、いくつかの選択肢があります。
勉強ができない(したくない)場合も、通信制高校は進路の選択肢の一つになります。
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