不登校の統計から見る割合や人数まとめ|適切な対策も紹介

不登校とは、何らかの心理的、情緒的、身体的あるいは社会的な要因・背景により、年間30日以上欠席した状態(病気や経済的な理由による欠席を除く)を指します。
特に中学校で不登校になると高校進学に影響しますし、高校では不登校のあと中途退学に至る人もいます(令和6年度は不登校の高校生の15.6%)。早めに対応することが大切です。
このページでは全国でどれくらいの数の人が不登校で悩んでいるのかを統計を通してご紹介しています。そして、不登校の人でも高校を卒業できる方法について解説します。
全国の小中学校の不登校児童生徒の統計
文部科学省では小中学校の不登校問題に関して、さまざまな側面から調査を行い、実態を把握し、対策につなげています。
まずはそれらの統計を通して不登校の実態を見てみましょう。なお、参考にしたデータは、文部科学省の「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」の令和6年度の結果です。
出典:文部科学省『令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要』
不登校児童生徒数の年間推移
不登校の児童生徒数は下記のように推移しています。
| 年度 | 不登校の人数(かっこ内は1,000人当たり) |
|---|---|
| 平成26年度 | 小学校 25,864人(3.9人) 中学校 97,033人(27.6人) 計 122,897人(12.1人) |
| 平成27年度 | 小学校 27,583人(4.2人) 中学校 98,408人(28.3人) 計 125,991人(12.6人) |
| 平成28年度 | 小学校 30,448人(4.7人) 中学校 103,235人(30.1人) 計 133,683人(13.5人) |
| 平成29年度 | 小学校 35,032人(5.4人) 中学校 108,999人(32.5人) 計 144,031人(14.7人) |
| 平成30年度 | 小学校 44,841人(7.0人) 中学校 119,687人(36.5人) 計 164,528人(16.9人) |
| 令和元年度 | 小学校 53,350人(8.3人) 中学校 127,922人(39.4人) 計 181,272人(18.8人) |
| 令和2年度 | 小学校 63,350人(10.0人) 中学校 132,777人(40.9人) 計 196,127人(20.5人) |
| 令和3年度 | 小学校 81,498人(13.0人) 中学校 163,442人(50.0人) 計 244,940人(25.7人) |
| 令和4年度 | 小学校 105,112人(17.0人) 中学校 193,936人(59.8人) 計 299,048人(31.7人) |
| 令和5年度 | 小学校 130,370人(21.4人) 中学校 216,112人(67.1人) 計 346,482人(37.2人) |
| 令和6年度 | 小学校 137,704人(23.0人) 中学校 216,266人(67.9人) 計 353,970人(38.6人) |
令和6年度の小・中学校の不登校の児童生徒数は353,970人で、過去最多となりました。12年連続で増えていますが、前年度からの増加率は2.2%(前年度は15.9%)と下がっています。
不登校の児童生徒は人数・割合ともに過去最多
児童生徒1,000人当たりの不登校の数も、令和5年度の37.2人から令和6年度は38.6人に増えています。
文部科学省は、増加の背景として、休養の必要性を明示した「義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律」の趣旨の浸透や、コロナ禍以降の保護者や児童生徒の登校に対する意識の変化などを挙げています。
学年別の不登校生徒の数
学年別の不登校の状況を見てみましょう。
令和6年度の学年別の不登校の児童生徒の数を見てみると、学年が上がるほど多くなっています。
| 学年 | 不登校の児童生徒の数 |
|---|---|
| 小学1年生 | 8,738人 |
| 小学2年生 | 14,125人 |
| 小学3年生 | 19,460人 |
| 小学4年生 | 25,322人 |
| 小学5年生 | 31,979人 |
| 小学6年生 | 38,080人 |
| 中学1年生 | 58,736人 |
| 中学2年生 | 77,066人 |
| 中学3年生 | 80,464人 |
特に増えているのが小学校から中学校に上がるタイミングです。
小学6年生の38,080人から中学1年生では58,736人に増え、中学3年生が80,464人で最も多くなっています。
都道府県別の不登校の統計
令和6年度の都道府県別の不登校の児童生徒の統計を見てみると、全国でもっとも不登校の児童生徒の数が多い都道府県5か所は次の通りです。
| 順位 | 不登校の児童生徒の数 |
|---|---|
| 1位 | 小学校:東京都(13,548人) 中学校:東京都(20,283人) |
| 2位 | 小学校:神奈川県(10,275人) 中学校:大阪府(15,031人) |
| 3位 | 小学校:愛知県(10,028人) 中学校:神奈川県(14,956人) |
| 4位 | 小学校:大阪府(8,718人) 中学校:愛知県(14,899人) |
| 5位 | 小学校:福岡県(8,008人) 中学校:福岡県(11,594人) |
基本的に人口が多いところは不登校児童や生徒数が多くなっています。
児童生徒1,000人当たりの不登校の数
人口が多い地域で不登校の児童生徒数が多くなるのは当然なので、児童生徒1,000人の中でどれくらい不登校の児童生徒がいるかを見てみましょう。
(令和6年度の調査結果より)
| 順位 | 1,000人当たりの不登校の児童生徒の数 |
|---|---|
| 1位 | 小学校:沖縄県(35.4人) 中学校:宮城県(82.8人) |
| 2位 | 小学校:島根県(32.1人) 中学校:福岡県(81.7人) |
| 3位 | 小学校:長野県(31.5人) 中学校:島根県(80.7人) |
一方、不登校の児童生徒の割合が低いのは、小学校では福井県の15.8人、徳島県の17.7人、中学校では岡山県の48.8人、福井県の52.6人です。
児童生徒1,000人当たりの都道府県別の不登校の数は、人口の多い少ないとは一致しないことがわかります。
なお、1,000人当たりの不登校の児童生徒の数は、全国では小学校が23.0人、中学校が67.9人となり、このデータからも中学校になると不登校の生徒が増えることがわかります。
出典:文部科学省『児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査』(令和6年度、表4-15 都道府県別 不登校児童生徒数)
高校の不登校生徒の統計
次に高校の不登校生徒の統計を見てみましょう。
高校生の不登校は令和5年度まで増え、令和6年度は少し減少
高校生の不登校の生徒数は、令和2年度の43,051人から増え、令和5年度は68,770人になりました。令和6年度は67,782人(1,000人当たり23.3人)で、前年度から少し減っています。
| 年度 | 不登校の生徒の数(かっこ内は1,000人当たり) |
|---|---|
| 平成26年度 | 53,156人 (15.9人) |
| 平成27年度 | 49,563人 (14.9人) |
| 平成28年度 | 48,565人 (14.6人) |
| 平成29年度 | 49,643人 (15.1人) |
| 平成30年度 | 52,723人 (16.3人) |
| 令和元年度 | 50,100人 (15.8人) |
| 令和2年度 | 43,051人 (13.9人) |
| 令和3年度 | 50,985人 (16.9人) |
| 令和4年度 | 60,575人 (20.4人) |
| 令和5年度 | 68,770人 (23.5人) |
| 令和6年度 | 67,782人 (23.3人) |
統計に見る不登校日数
では、次に不登校になった生徒は何日くらい欠席が続いているのでしょうか。
こちらも文部科学省が調査をしているので、ご紹介します。
中学生の不登校日数
令和6年度の中学生の不登校で最も多いのは、欠席日数が90日以上で、出席日数が11日以上あるケース(48.3%)です。欠席日数が90日以上の生徒は、全体の60.7%にのぼります。
- 欠席日数90日以上で出席日数が11日以上の者……104,406人(48.3%)
- 欠席日数50~89日の者……44,770人(20.7%)
- 欠席日数30~49日の者……40,275人(18.6%)
- 欠席日数90日以上で出席日数が1~10日の者……19,529人(9.0%)
- 欠席日数90日以上で出席日数0日の者……7,286人(3.4%)
高校生の不登校日数
一方、高校生の不登校日数(令和6年度)は下記の通りです。
- 欠席日数30~49日の者……39,395人(58.1%)
- 欠席日数50~89日の者……18,299人(27.0%)
- 欠席日数90日以上で出席日数が11日以上の者……8,312人(12.3%)
- 欠席日数90日以上で出席日数が1~10日の者……1,310人(1.9%)
- 欠席日数90日以上で出席日数0日の者……466人(0.7%)
中学校の不登校は長期化、高校は短期の傾向
これらのデータから、中学校で不登校になると長期化しやすく、高校生の場合は欠席日数の短い人の割合が高いことがわかります。
中学校は義務教育なので、不登校になっても退学がなく、自宅学習や支援センターなどで学習を続けて卒業に向かうことが関係していると考えられます。
高校では、欠席が続くと単位を修得できず、中途退学や原級留置(留年)になることがあります。
令和6年度は、不登校の高校生のうち10,566人(15.6%)が中途退学に至り、2,963人(4.4%)が原級留置になっています。
出典:文部科学省『令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要』
学校が把握した不登校の状況
文部科学省の調査では、不登校の児童生徒について学校が把握した事実(複数回答)を調べています。令和6年度の結果で多かったものは次のとおりです。
小・中学校
- 学校生活に対してやる気が出ない等の相談があった……30.1%
- 生活リズムの不調に関する相談があった……25.0%
- 不安・抑うつの相談があった……24.3%
- 学業の不振や頻繁な宿題の未提出が見られた……15.6%
高等学校
- 学校生活に対してやる気が出ない等の相談があった……26.9%
- 生活リズムの不調に関する相談があった……26.2%
- 不安・抑うつの相談があった……16.0%
- 学業の不振や頻繁な宿題の未提出が見られた……12.8%
これらは、学校が把握した事実を集計したものです。不登校の原因を調べたものではないので、ひとりひとりの事情はそれぞれ異なります。
出典:文部科学省『令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要』
不登校への適切な対策
小中学校の場合
まず小中学生の不登校対策としては、次のような支援を実施しています。
- 教育支援センター
- 校内教育支援センター(スペシャルサポートルームなど)
- 学びの多様化学校(旧称:不登校特例校)
- フリースクールやNPOなどの民間施設
- 自宅でICT等を活用した学習を出席扱いとする
また、不登校になってからの取り組みではなく、不登校を生まない学校づくりに取り組むなどの対策も進めています。
出典:文部科学省『誰一人取り残されない学びの保障に向けた不登校対策(COCOLOプラン)』(令和5年3月)
高校の場合
文部科学省のCOCOLOプランでは、高校の全日制・定時制課程でも不登校の生徒が学びを続けて卒業できるよう柔軟な学び方を可能にすることや、オンラインカウンセリングで高校生を支援することなどが示されています。学校に戻りたいときに、クラスを変えたり転校したりすることについて丁寧に相談できるようにすることも挙げられています。
出典:文部科学省『誰一人取り残されない学びの保障に向けた不登校対策(COCOLOプラン)』(令和5年3月)
悩みが続くときは、都道府県の教育相談センターや医療機関に相談することもできます。
不登校の方には自宅学習で高卒資格を得られる通信制高校がおすすめ
通信制高校とは、毎日の登校の代わりに自宅で通信学習を行い、課題の提出や試験を受けることで全日制高校と同様の高卒資格を得られる教育機関です。
不登校になると学習面や社会性の面などで不安を抱えることもありますが、通信制高校には次のようなメリットがあります。
- 年に数日の集中スクーリングで学べる学校もあるので、対人面で不安がある人でも通いやすい
- 登校日数の少ないコースなら、昔の同級生と顔を合わせる機会が少ない
- 学習にブランクがあったり、つまずきがある人でも、復習を兼ねて指導してくれる学校がある
- 年齢を問わず何歳でも入学できる
- 多くの学校は単位制で学年ごとの留年がなく、3年以上在籍して74単位以上を修得すればよいので、自分のペースで進められる
さらに、美容師や調理師などの資格を目指せるコース(提携校や養成施設と組み合わせるもの)や大学進学コースなど、将来の進路にプラスになるコースを持つ学校もあるので、不登校の人でもあきらめずに将来に向けて勉強ができます。
中卒生を対象にした新入学だけでなく、途中から入れる転入や編入の受け入れも行っているので、自分に合う学校を探してみましょう。
不登校の割合や人数の統計まとめ
記事で見てきた通り、不登校は誰にでも起こりうるものです。
大事なのは子どもが不登校になった時に保護者が焦らず、適切な対応をして子どもの道を示してあげることです。
今は、不登校の支援を行っている学校や施設があり、通信制高校やサポート校を選べば、登校日数の少ない学校で自宅学習を中心に高卒資格を目指すこともできます(スクーリングは必要です)。
高卒資格さえ得れば大学進学もできますし、就職においても最低限の道が開けます。焦らず、無理をさせず通信制高校などの子どもに合った進路を選んであげましょう。
