不登校の原因とは?学校が把握したきっかけと、きっかけごとの対処法

不登校とは、何らかの心理的・情緒的・身体的・社会的な要因や背景によって、登校しない、あるいは登校したくてもできない状況にあり、年間30日以上欠席した人(病気や経済的な理由による人を除く)を指します。
出典:文部科学省『高等学校等における多様な学習ニーズに対応した柔軟で質の高い学びの実現について(通知)』(通知の中の不登校の定義)
文部科学省の令和6年度の調査で、不登校の児童生徒について学校が把握した事実のうち最も多かったのは、小学校・中学校・高校のいずれも「学校生活に対してやる気が出ない等の相談があった」でした。
同じ調査では、不登校の小学生・中学生のうち90日以上欠席している人の割合は、小学校で44.1%、中学校で60.7%、小中学校全体で54.2%でした。
このページでは、調査で分かっている不登校のきっかけと、きっかけごとの対処法、相談先をまとめています。
不登校の原因:学校が把握したきっかけ(令和6年度)
文部科学省の「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」では、不登校の児童生徒について学校が把握した事実(複数回答)を調べています。
不登校のきっかけは一つとは限らず、いくつかの事情が重なっていることもあります。学校での出来事だけでなく、生活リズムの不調や不安・抑うつ、家庭のことなども把握されています。
令和6年度の主な結果は下記の通りです。
| 学校が把握した事実 | 割合 |
|---|---|
| 学校生活に対してやる気が出ない等の相談があった | 小学校:30.1% 中学校:30.1% 高校:26.9% |
| 生活リズムの不調に関する相談があった | 小学校:26.2% 中学校:24.3% 高校:26.2% |
| 不安・抑うつの相談があった | 小学校:24.1% 中学校:24.4% 高校:16.0% |
| 親子の関わり方に関する問題の情報や相談があった | 小学校:16.9% 中学校:9.9% 高校:6.7% |
| 学業の不振や頻繁な宿題の未提出が見られた | 小学校:15.4% 中学校:15.7% 高校:12.8% |
| いじめ被害を除く友人関係をめぐる問題の情報や相談があった | 小学校:11.8% 中学校:14.1% 高校:10.2% |
| 家庭生活の変化に関する情報や相談があった | 小学校:10.3% 中学校:6.6% 高校:4.7% |
| 入学、転編入学、進級時の不適応による相談があった | 小学校:3.8% 中学校:5.2% 高校:7.0% |
| 教職員との関係をめぐる問題の情報や相談があった | 小学校:4.4% 中学校:2.3% 高校:1.3% |
| あそび、非行に関する情報や相談があった | 小学校:1.8% 中学校:3.8% 高校:4.6% |
| いじめの被害の情報や相談があった | 小学校:1.8% 中学校:1.1% 高校:0.9% |
割合は不登校の児童生徒数に対する割合です。これらは学校が把握した事実(複数回答)を集計したもので、不登校の原因を調べたものではありません。ひとりひとりの事情はそれぞれ異なります。
出典:文部科学省『令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要』
小学生・中学生・高校生で多いきっかけ
小学生で学校が把握した事実のうち多いものは、次の5つです。
- 学校生活に対してやる気が出ない等の相談があった……30.1%
- 生活リズムの不調に関する相談があった……26.2%
- 不安・抑うつの相談があった……24.1%
- 親子の関わり方に関する問題の情報や相談があった……16.9%
- 学業の不振や頻繁な宿題の未提出が見られた……15.4%
小学生では、親子の関わり方に関する相談が16.9%で、中学生の9.9%、高校生の6.7%より多くなっています。
中学生になると不登校の生徒数は大きく増え、令和6年度は小学6年生の38,080人に対して、中学1年生は58,736人(約1.5倍)でした。中学生で多いものは、次の5つです。
- 学校生活に対してやる気が出ない等の相談があった……30.1%
- 不安・抑うつの相談があった……24.4%
- 生活リズムの不調に関する相談があった……24.3%
- 学業の不振や頻繁な宿題の未提出が見られた……15.7%
- いじめ被害を除く友人関係をめぐる問題の情報や相談があった……14.1%
中学生では、小学生に比べて親子の関わり方に関する相談の割合が下がり、友人関係をめぐる問題の割合が上がります。
高校生の不登校生徒数は、令和6年度は67,782人で、前年度(68,770人)からは減ったものの、令和3年度(50,985人)より多くなっています。高校生で多いものは、次の5つです。
- 学校生活に対してやる気が出ない等の相談があった……26.9%
- 生活リズムの不調に関する相談があった……26.2%
- 不安・抑うつの相談があった……16.0%
- 学業の不振や頻繁な宿題の未提出が見られた……12.8%
- いじめ被害を除く友人関係をめぐる問題の情報や相談があった……10.2%
高校生では、入学、転編入学、進級時の不適応による相談が7.0%で、小学生の3.8%、中学生の5.2%より多くなっています。
出典:文部科学省『令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要』
本人・保護者・先生で違うきっかけの見え方
上の数字は、学校が把握した事実です。文部科学省の委託調査(令和6年3月公表)は、同じ不登校の児童生徒について、担任などの先生、本人、保護者の3者に回答してもらい、結果を比べています。
調査の対象は、大阪府吹田市・広島県府中市・宮崎県延岡市・山梨県で、令和4年度に小学3年生から高校1年生(中学3年生を除く)だった児童生徒です。3者の比較に使われたのは、令和4年度に不登校と報告された児童生徒についての、先生の回答1,424名分、本人の回答239名、保護者の回答200名です。
聞き方は3者で違います。先生には事実としてあったかどうか、本人には学校に行きづらいと感じ始めたときにつらいと感じたことがあったか、保護者には休むようになったきっかけを聞いています。
| 項目 | 報告書の結果 |
|---|---|
| 体調不良、不安・抑うつ、朝起きられない・夜眠れない | 本人と保護者は約7~8割が回答。先生の回答は2割弱 |
| いじめの被害 | 本人の26.2%が訴えた。先生と本人・保護者で回答に違いがあった |
| 先生との関係 | 本人の35.9%が「先生と合わなかった」と回答 |
| 学業の不振・宿題 | 3者の回答の割合が比較的近かった |
学業については、先生の回答で「学業不振」が41.2%、本人の回答で「授業が分からない」が47.0%でした。報告書は、回答の割合に差があっても、その事柄が不登校を引き起こす原因であるとは限らないと注意しています。
出典:文部科学省委託事業『不登校の要因分析に関する調査研究 報告書』(令和6年3月公表)
不登校を経験した18~59歳の人に、学校を休みはじめたきっかけを聞いた文部科学省の調査(令和7年、インターネット調査、18,207人、複数回答)では、「友人との関係(いやがらせやいじめ)」が47.5%で最も多く、「精神的な不調(漠然とした不安や気持ちの落ち込みなど)」が25.0%、「学校生活に対してやる気が出なかった」が24.5%、「先生との関係(先生と合わなかったなど)」が20.4%でした。「わからない」と答えた人も4.1%いました。
出典:文部科学省『「不登校経験者等を対象とする調査」~不登校・いじめ対策等の効果的な活用の推進に向けた調査研究報告書~』
学校が把握した事実で「いじめの被害の情報や相談があった」は、小学生の1.8%、中学生の1.1%、高校生の0.9%です。本人に聞いた調査では、いじめの被害を挙げた人の割合はこれより高くなっています。いじめを受けていない場合も、友人関係や先生との関係、心や体の不調がきっかけになることがあります。
きっかけごとの対処法
学校が把握した事実の区分に沿って、きっかけごとに取れる対応と相談先をまとめます。当てはまるきっかけが一つとは限りません。
やる気が出ない・不安や抑うつがあるとき
小学生・中学生・高校生のいずれも、学校が把握した事実で最も多いのは、学校生活に対してやる気が出ない等の相談です。
周りからはただ怠けているように見えることもありますが、「やる気を出せ」と言われるだけでは変わりにくいものです。背景に強い不安や気持ちの落ち込み、発達障害(学習障害・ADHDなど)があることもあります。
学習障害(LD)は、聞く・話す・読む・書く・計算するといったことのうち、特定のことに大きな困難がある状態です。注意欠如・多動症(ADHD)があると、授業に集中しにくいことがあります。
担任の先生のほか、スクールカウンセラーや保健室の養護教諭に相談できます。気になる様子が続くときは、医療機関や発達障害者支援センターなどの専門機関で、特性に応じた対応を相談できます。
生活リズムの不調があるとき
長期休暇の間に夜ふかしや昼夜逆転が続くと、毎朝起きて学校に行くことがつらくなることがあります。ゲームや動画で寝る時間が遅くなることもあります。
寝る時間と起きる時間を少しずつ戻すほか、朝に起きられない、立ちくらみがするといった体の不調が続くときは、起立性調節障害などの病気のこともあります。その場合は、小児科などの医療機関で相談できます。
学業の不振があるとき
学習は毎日の積み重ねで理解を深めるものなので、何らかのきっかけで理解できないところがあると、その先の授業についていけなくなることがあります。中学生・高校生では、小学校の基礎でつまずいて授業がわからなくなることもあります。
小学校低学年なら、家で宿題を一緒に見ることで、どの教科のどこが苦手かを把握できます。小学校高学年や中学生では、家庭教師や学習塾、教育支援センターの学習支援を使う方法もあります。
中学生・高校生では、勉強のつまずきが進路への不安につながることもあります。進学先は学力だけで決めず、本人の希望や通い方も含めて話し合う家庭もあります。
友人関係の問題があるとき
学校が把握した事実では、いじめ被害を除く友人関係をめぐる問題が、小学生の11.8%、中学生の14.1%、高校生の10.2%で見られます。
子どもが「学校に行きたくない」と言い出したとき、保護者はまず話を聞くことから始められます。夕食のときなどに学校での出来事を聞くと、話しやすくなる子どももいます。
家庭だけで解決できない問題は、担任やスクールカウンセラーに相談できます。いじめの被害があるときは、学校のほか、下の「不登校の相談先」の窓口にも相談できます。
親子の関わり方・家庭の変化があるとき
親子の関わり方に関する相談は年齢が低いほど多く、小学生の16.9%、中学生の9.9%、高校生の6.7%です。家庭生活の変化に関する相談は、小学生の10.3%、中学生の6.6%、高校生の4.7%でした。
両親の離婚や別居、引越しなどで生活環境が急に変わると、子どもが心や体の不調を感じることがあります。家庭内でけんかが絶えない、暴力があるといった環境では、落ち着いて過ごしたり学習したりすることが難しくなります。
生活環境が変わるときは、事前に子どもに事情を話しておく、変わったあとの毎日の様子に気を配るといった関わり方があります。暴力がある場合は、児童相談所や配偶者暴力相談支援センターなどの公的な窓口に相談できます。
入学・進級・転校のあとになじめないとき
入学、転編入学、進級時の不適応による相談は、小学生の3.8%、中学生の5.2%、高校生の7.0%で、高校生で多くなっています。
新しいクラスや先生、人間関係になじめないときは、担任の先生に学校での様子を聞いたり、保健室や別室で過ごす時間をつくったりする方法があります。
それでもなじめない場合は、転校のほか、高校生なら通信制高校で自宅学習や少人数の授業に切り替える方法もあります。
先生との関係に悩むとき
学校が把握した事実で、教職員との関係をめぐる問題の情報や相談があったのは、小学生の4.4%、中学生の2.3%、高校生の1.3%です。一方、上の委託調査では、本人の35.9%が「先生と合わなかった」と答えていました。
担任の先生との関係に悩むときは、ほかの先生やスクールカウンセラー、保健室の養護教諭に相談できます。学校の中で相談しにくいときは、学校の外の相談窓口も使えます。
あそび・非行が見られるとき
あそび、非行に関する情報や相談があったのは、小学生の1.8%、中学生の3.8%、高校生の4.6%です。
友人関係のトラブルや学業の不振から学校がつまらなくなる、家庭の事情で家にいづらい、SNSを通して夜に遊ぶ仲間ができるなど、背景はさまざまです。
行動だけを見ると本人や周りの仲間に原因があるように見えますが、背景に何があるかを整理することが対応の手がかりになります。生活の乱れが長く続く前に、学校や下の相談先に相談できます。
学校に戻る道と、学校以外で学ぶ道
「不登校の治し方」を調べる人もいますが、国の方針は、学校に戻ることだけを目標にしていません。令和元年の文部科学省の通知は、不登校の児童生徒への支援について、「『学校に登校する』という結果のみを目標にするのではなく」、本人が自分の進路を主体的に考え、社会的に自立することを目指すとしています。
教育機会確保法の第13条は、国と地方公共団体が、不登校の児童生徒の休養の必要性を踏まえて、学校以外の場での学習活動を支援することを定めています。
文部科学省のCOCOLOプラン(令和5年3月)は、不登校の児童生徒が学びたいと思ったときに学べる環境を整えることと、学校に戻りたいと思ったときに、クラスを変えたり転校したりするなど、本人や保護者の希望に沿った対応をすることを掲げています。
小学生・中学生が教育支援センターやフリースクールなどで相談・指導を受けた日や、自宅でICTなどを使って学習した日は、要件を満たせば、校長が出席扱いにすることができます。
出典:文部科学省『不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)』(令和元年10月25日)、e-Gov『義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律』、文部科学省『誰一人取り残されない学びの保障に向けた不登校対策(COCOLOプラン)』、文部科学省『義務教育段階の不登校児童生徒が学校外の公的機関や民間施設において相談・指導を受けている場合の指導要録上の出欠の取扱いについて』、同『不登校児童生徒が自宅においてICT等を活用した学習活動を行った場合の指導要録上の出欠の取扱いについて』
不登校の相談先
不登校のことは、学校の中でも外でも相談できます。
| 相談先 | 内容 |
|---|---|
| 学校の中 | 担任の先生、スクールカウンセラー、保健室の養護教諭 |
| 24時間子供SOSダイヤル | 0120-0-78310。夜間・休日も、原則として地域の教育委員会の相談機関につながる |
| チャイルドライン | 0120-99-7777。毎日16時~21時(12月29日~1月3日は休み)。18歳まで |
| 教育委員会 | 都道府県・市区町村の教育相談の窓口 |
出典:文部科学省『24時間子供SOSダイヤル』、チャイルドライン『電話でのお話』(2026年11月時点)
中学生・高校生の進路と通信制高校
中学生の場合
中学校で不登校になると、高校進学に不安を感じる人もいます。文部科学省は令和8年6月30日の通知で、高校の入学者選抜について、在籍する中学校での出席の状況のみをもって不利益な取扱いをしないよう、都道府県などに求めています。
出典:文部科学省『高等学校入学者選抜等における配慮事項等について(通知)』(令和8年6月30日)
高校生の場合
高校生は、今の高校に在籍したまま別の高校に移る「転入」ができます。高校を中退して籍がない場合は「編入」という形で入ることができます。
どちらの場合も、それまでの高校で修得した単位は、転入・編入先の学校が認めれば引き継げます。たとえば全日制高校で30単位を修得していて、それが認められれば、通信制高校で残りの44単位を修得すると、卒業に必要な単位数(74単位以上)に届きます。卒業には、在籍期間などほかの条件もあります。
転入・編入の受付時期は学校によって異なるので、希望する学校の募集状況を確かめる必要があります。
通信制高校には、不登校を経験した生徒も多く入学しています。令和7年度の文部科学省の調査では、通信制高校の入学者77,998人のうち、中学3年生のときに不登校だった生徒は44,461人(57.0%)でした。
出典:文部科学省『令和7年度通信制高等学校実態調査に関する調査結果について』
通信制高校選びに迷ったら

不登校の経験がある生徒を受け入れている通信制高校の例
住んでいる地域から通える学校は、都道府県ごとのページ(例:東京都の通信制高校の一覧)で探せます。ここでは、登校の日数や通い方を選べる学校を3校紹介します。
ルネサンス高等学校
ルネサンス高等学校は本校が茨城県にある広域通信制高校で、全国どこからでもネット学習ができます。
登校は最短で年5日です。ルネサンス高校グループの2024年度の卒業率は97.8%です(1・2年次に必要な単位を修得して3年次を迎えた生徒の卒業率)。
各地にキャンパスがあるので、通学することもできます。
第一学院高等学校
第一学院高等学校は茨城県高萩市と兵庫県養父市に本校があるほか、全国に68のキャンパス(2026年4月時点、提携キャンパス・グループ内キャンパスを含む)がある広域通信制高校です。
オンラインで学ぶ「Mobile HighSchool」のほか、通学するコースもあります。通学するコースでも学習は一人ひとりに合わせた内容なので、中学校の復習から始めることができます。
プレミアムコース(大学進学専攻など)や専門コースもあります。
飛鳥未来高等学校
飛鳥未来高等学校は、週1日~5日まで、さまざまな通学スタイルから選べます。通学スタイルはキャンパスによって異なります。
最初は短時間だけ登校し、慣れてきたら登校日を増やすこともできます。学校行事や学内活動への参加は自由で、キャンパスによって進学、補習、メイク、ネイル、美容師免許などのコースがあります。
担任のほか、スクールカウンセラーや養護教諭、スクールソーシャルワーカーが生徒を支えます。
(各校の紹介は、2026年11月時点の公式サイトによる)
出典:ルネサンス高等学校、ルネサンス高校グループ、第一学院高等学校『キャンパス』、同『コース紹介』、飛鳥未来高等学校、同『サポート』
不登校の原因と対処法のまとめ
文部科学省の令和6年度の調査で、不登校の児童生徒について学校が把握した事実のうち最も多かったのは、小学校・中学校・高校のいずれも、学校生活に対してやる気が出ない等の相談でした。次いで、生活リズムの不調や不安・抑うつの相談が多くなっています。
本人・保護者・先生の3者に聞いた委託調査では、心や体の不調、いじめの被害、先生との関係は、先生の回答より本人や保護者の回答で多く挙げられていました。きっかけは一つとは限らず、周りから見えにくいこともあります。
国の方針は、学校に戻ることだけを目標にせず、学校以外の場での学びも支えるものです。相談先は学校の中にも外にもあります。
中学校で不登校になった人は高校入試で、高校で不登校になった人は転入・編入で、通信制高校に進む道もあります。通信制高校のコースや学習内容は学校によって異なるので、資料請求で比べることができます。