不登校でも勉強したい!通信制高校なら不登校でも高校・大学進学が可能
不登校の問題は根が深く、周囲が説得してもなかなか登校できないなど深刻なケースがあります。
小学校や中学校は義務教育なので、さまざまな配慮のもと卒業できますが、高校で不登校になると卒業できなくなる可能性があります。
そんな場合でも大学や専門学校に行きたいときはどうすればいいのでしょうか。このページでは、そういった悩みをお持ちの方のために通信制高校で進学が可能ということをご説明しています。
不登校になると進学はできない?
文部科学省が定義している「不登校」とは「何らかの心理的、情緒的、身体的あるいは社会的要因や背景により登校しない、あるいはしたくともできない状況にあるために年間30日以上欠席すること」のことを指します。
そのため、病気や経済的な理由で登校できないケースは不登校には該当しません。そのことを踏まえた上で、不登校と進学について見ていきましょう。
中学校で不登校になると高校進学はムリ?
中学校は義務教育なので、不登校になったとしても教育支援センターや民間施設での指導を出席扱いにしたり、自宅でITを活用して学習活動を行い、訪問による対面指導が適当になされた場合に出席扱いにしたりといった措置を取って卒業できるように配慮しています。
中学校を卒業できても高校進学には壁がある!
文部科学省では、中学校で不登校が続いて学習が遅れている場合でも高校受験ができるように「中学校卒業程度認定試験」で受験資格を得られるようにしたり、調査書以外で評価するようにしたりして高校に進学できるようにサポートしています。
また、義務教育では卒業の条件として出席日数は問われないことになっています。そのため、中学校が卒業できないということは、現実的には起こらないと言っていいでしょう。
ただ、中学校を卒業しても、不登校だった人が高校に進学する場合には次のような壁があります。
- 不登校で学力が低下し、希望する高校に入れないのではないかと受験が不安
- 中学校の同級生と同じ高校に進学すると、不登校のウワサ話をされるのではないかと不安
- 中学校の学習に遅れがあるため、高校の授業についていけないのではないかと不安
このように心理的な不安や学力に関する不安などを感じるケースが多くなるでしょう。そして「高校に進学してもまた不登校になるのではないか」という心配が起こります。
高校で不登校になっても大学進学はできる?
中学校は問題なく過ごせたのに高校に入学してから不登校になるというケースもあります。しかも、高校は義務教育ではないため、出席日数が少ないと卒業はおろか進級もできません。その結果、留年(正式には原級留置)となり、また同じ学年で勉強しなければならないのです。
同級生は進級しているのに自分は1歳年下の人と同じ学年で勉強するのは心理的な負担が大きくなってしまいます。そのため、ますます学校に行きづらくなって、中退してしまう人が多くいます。
不登校の人が大学進学する方法
大学(短大・専門学校を含む)を受験するには、「高卒」の資格が必要です。不登校で高校卒業が難しい場合、次の2通りの方法があります。
- 高等学校卒業程度認定試験(旧大検)に合格して大学を受験する
- 定時制高校や通信制高校を卒業して大学を受験する
ただし、定時制高校は基本的に通学して1日4時間程度の授業を受けます。そのため、今回は説明から省きます。
高校卒業程度認定試験の注意点
高校卒業程度認定試験(略して高卒認定試験)は16歳以上の人が受けることができるもので、合格すると「高校を卒業した人と同等以上の学力がある」と認められます。
それによって大学(短大・専門学校を含む)を受験することができます。また、就職の際に「高卒または高卒と同等以上の学力があること」という条件の求人に応募することができます。
ただし、次の点に注意しましょう。
- 高卒認定試験に合格しても大学を卒業しないと、学歴は中卒になる
- 高卒認定試験の勉強は独学でやらなければいけない
対人面で不安があり、塾などにも行けない場合は、ひとりで学習して高卒認定試験を受ける方法がありますが、強い意志が求められます。また、大学(短大・専門学校)を卒業しないと、学歴は中卒のままなのでくれぐれもご注意ください。
通信制高校なら不登校の人でも卒業が可能
一方、通信制高校は自宅で学習し、3年間以上かけて74単位を修得するものです。そのため、不登校の人でも無理なく学習ができ、高校卒業資格を得ることができます。
また、通信制高校には進学コースを設けているところが多くあるため、大学進学も可能です。
中学校で不登校でも通信制高校なら入学が可能
中学校で不登校になると、学校の授業がわからなくなり高校受験は厳しいものになってしまいます。
また、無理して全日制高校に進学したとしても、そこで不登校になる可能性も考えられます。
そんな場合は中学校を卒業して通信制高校に入学する方法がおススメです。
通信制高校の入試の難易度は低い
全日制高校の入試は志望校の偏差値と自分の学力が合わないとかなり難しいものになります。そのため、志望校に合格するために早くから塾に通う人がたくさんいるのです。
そうなると不登校で授業に遅れがある場合は不利になってしまいます。しかし、通信制高校の受験はそれほど難しくはありません。
通信制高校の入試の例
東京都立通信制高校の入試は、学科試験(国数英)と調査書で判定します。ただし、その比重は【学科試験8:調査書1】(東京都立一橋高校の場合)となっていて、学科試験に重きを置いています。
また、通信制高校で学科試験を実施するところは少なく、多くの学校では作文や面接、書類審査で合否を判定しています。
通信制高校の入試は学力よりも意欲が重要
作文のテーマも「高校生活について」や「将来の夢」など、自分のやる気や意欲を問うものが多くなっています。
現在の学力はそれほど重視されないので、安心して受験してみましょう。
通信制高校は一斉授業ではないので不登校でも安心
通信制高校は教室に大勢の生徒が集まって一斉に授業を受けることはなく、自宅学習が中心です。
そのため、授業がわからなくて困るという心配がありません。自宅で何度も教科書を見たり、先生に質問したりして学習を進めていきます。
私立の通信制高校によっては個人授業や少人数授業をしているところもあります。個別にわからないところを教えてもらえるので、次第に理解力と自信がついていきます。
不登校の人でも通信制高校から大学進学が可能
高校で不登校になると授業がわからなくなるだけでなく、進級できなくなり、高校卒業も不可能になってしまいます。
そうなると大学を受験することも難しくなります。
しかし、通信制高校なら無理なく学習を進めて高校卒業、そして大学進学が可能です。
通信制高校の進学コースはかなり充実!
通信制高校にはアニメや声優、タレントの芸能・エンタメコースや美容師・調理師など就職に有利なコースなどさまざまなコースがあります。
特に最近増えているのが「大学進学コース」です。特に私立の通信制高校では大学進学に力を入れています。
通信制高校の大学進学コースの内容
通信制高校の大学進学コースは、学校ごとにさまざまな特徴があります。いくつかの例をご紹介しましょう。
- 大手予備校や学習塾と提携してネットで授業が受けられる
- 大手予備校の受験対策や分析データを活用
- 学校の自習室が自由に使える
- きめ細かい進路相談を実施
- 個人指導を実施
このように大学進学に向けたさまざまな取り組みをしています。しかも、これらは通信制高校の授業料に含まれているところが多いため、別途に予備校費用や学習塾の費用を支払う必要がないという点も大きなメリットだと言えます。
通信制高校から難関大学への進学も可能
最近の通信制高校では上記のように大学進学に力を入れていて、理系や医科大学などの難関大学への合格実績もたくさんあります。
多くの合格者を出している背景には、通信制高校ならではの学習スタイルが関係していると考えられます。一方、全日制高校では次のような事情があり、受験に関して成果が出にくいのではないでしょうか。
- 受験に関係のない科目の授業が多い
- 一斉授業なので個々の理解度や学力に沿った指導ができにくい
- 生徒からも質問がしにくい
- 部活動や学校行事が多く受験勉強に専念できない
もちろん受験科目以外の勉強や学校行事も大切ですが、それらに時間を取られると受験では不利になってしまいます。
その点で通信制高校は必修科目を含めた74単位を修得すればいいので、受験科目に集中して勉強ができるのです。
高校で不登校だった人でも、通信制高校に転入することで大学進学が可能になります。ぜひ頑張って挑戦してみましょう。
不登校でも進学は可能!
中学校で不登校になった場合は、全日制高校ではなく通信制高校に進学して卒業を目指しましょう。
高校で不登校になった場合は、通信制高校に転入することで高校卒業が可能です。
大学進学もできるので、あきらめずに挑戦を!