通信制高校で医療(メディカル)の実力をつけよう
超高齢化社会を迎える日本にとって医療や介護は今後ますますニーズが高まっていくジャンルです。
高校卒業を目指しながら、同時進行でメディカル(医療・介護)の勉強を進めましょう。メディカル系の知識や資格があると就職に有利ですし、長く働けます。
今回は医療・メディカル系の資格取得や勉強ができる通信制高校をご紹介します。
通信制高校で医療・メディカルの勉強をするには
メディカルとは医療や介護分野のことを指します。
通信制高校で高卒資格取得を目指しながら、ダブルスクールで医療系の学校で学ぶ方法があります。
また、通信制高校の中に看護師や医科歯科大学受験を目指す進学コースもあります。
医療・メディカル系の資格
医療や介護の現場で働くには、それぞれの職業に応じた資格が必要になります。
全日制高校卒業後に大学や専門学校に進んで資格を取得する方法もありますが、通信制高校なら高校卒業までの期間に同時進行でメディカル系の資格取得が可能です。
まずはメディカル(医療・介護系)の資格にはどんなものがあるのか見てみましょう。
医療系の資格
医療系の資格には、次のものがあります。
- 医療事務
- 調剤薬局事務
- 歯科助手
- 医師事務アシスタント
- 医療秘書
- 療術師
- 整体師
- 運動療法士
- セラピスト
など
介護系の資格
介護系の資格には、次のようなものがあります。
- 介護職員初任者研修
- 介護福祉士実務者研修
- 介護福祉士
- ケアマネージャー
- 介護事務
通信制高校のメディカルコースではこのような医療や介護分野の資格取得のサポートをしているところがあります。
また提携しているサポート校とのダブルスクールで資格や技術を得る方法もあります。
医療・介護の分野は仕事の幅が広いので、自分がどの分野に進みたいのかを決めて取り組むことが大切です。
通信制高校から医薬学系大学や看護系大学に進む方法も
また、通信制高校から医科歯科大学や薬学部、看護系の学校に進む方法もあります。
それぞれの方法と対応している通信制高校をご紹介します。
メディカル(医療・介護系)が学べる通信制高校
医療・介護分野が学べる通信制高校の多くはダブルスクールで勉強をします。通信制高校で高校卒業を、提携校で医療・介護系の技術や資格の取得を目指します。
ヒューマンキャンパス高等学校のメディカルクリニック(医療)コース
ヒューマンキャンパス高等学校にはさまざまなコースがありますが、その中のひとつに「メディカルクリニック(医療)コース」があります。
ここでは医療事務や医療秘書の資格取得を目指して勉強します。
全国医療福祉教育協会の認定機関と連携
ヒューマンキャンパス高等学校に在籍して高校卒業に向けた勉強をします。そして、同校が連携している全国医療福祉教育協会の認定教育機関で医療事務や医療秘書の勉強をします。
特に最近は医療現場の事務がIT化されているため最新の知識やノウハウが求められますが、連携先の教育機関では「実務能力認定試験」を実施し、生徒の能力UPを図っています。
また、提携している医療機関での現場体験ができるのも同校の強みです。
スクーリングは年に数回だけ
医療事務などの勉強をすると、そちらが忙しくなって高校の勉強ができないと不安に感じる人がいるかも知れません。
しかし、ヒューマンキャンパス高等学校のスクーリングは年間に数回だけなので、医療系の勉強に支障が出ることはありません。自分で空いた時間にレポート作成をして高校卒業ができます。
中央高等学院の介護福祉就職コース
中央高等学院では「介護福祉就職コース」が設けられています。同校は中央国際高等学校の指定サポート校なので、高校卒業と介護福祉系の勉強が同時に進められます。
中央国際高等学校では担任の先生やカウンセラーが生徒一人ひとりに向き合って卒業までサポートしてくれます。
一方、中央高等学院では在学中に資格取得や職場体験を経て、提携先の老人介護施設「サニーライフ」に確実に就職ができるというメリットがあります。
中央高等学院の卒業までの流れ
ここでは介護や福祉にかかわったことがまったくない生徒でも初歩から指導を実施しています。
学年 | 内容 |
---|---|
1年目 | 介護福祉キャリア教育として介護福祉について初歩から指導 |
2年目 | 介護職員初任者研修の資格取得講座を実施(※) |
3年目 | 実践研修講座として、卒業後に就職する老人介護施設サニーライフの現場で研修を受ける |
(※:介護職員初任者研修の受講には、別途ニチイ学館への申し込みが必要で、受講費は実費が必要になりますが、卒業後にサニーライフに就職したら施設から全額支給されます。)
なお、同校では在学中にアルバイトを経験することも可能です。もちろん、それ以外の施設への就職も可能です。
サニーライフは全国に67施設あるので、地方在住の人でも安心ですね。
東京療術学院高等部のメディカルコース
東京療術学院高等部は通信制高校ルネサンス高等学校と連携しています。ダブルスクールとして高校の勉強とメディカル系の勉強をします。
東京療術学院高等部には次のようなメディカル系のコースが設けられています。
コース | 内容 |
---|---|
メディカル総合科 | 整体やカイロプラクテック、心理療法、アロマテラピー、リフレクソロジー、気功などを中心に自然治癒力を高める専門的な技術や知識を総合的に身につけるコース |
パーソナルトレーナー総合科 | スポーツトレーナー、フィットネストレーナーのプロを目指すコース |
セラピスト総合科 | 癒しのプロとして整体などの身体的な癒しからセラピーヨガなどのセルフケアまでの技術や知識を学ぶコース |
カウンセラー総合科 | ストレスや悩みなど心の健康回復、維持、増進を図るストレスマネジメントを学ぶコース |
いずれも就職に有利なコースで、独立開業も可能です。
通信制高校から医療系の大学に進学する方法
最近の通信制高校は大学進学に力を入れているところが増えています。
特にメディカル(医療・介護系)コースを設けていない通信制高校でも、医学部や薬学部、看護大学などへの進学実績が多い学校があります。
全日制高校では受験科目にない教科の授業があったり、部活動や学校行事などが多かったりして受験勉強の時間が取れないという悩みがありますが、通信制高校なら受験科目を中心に効率よく勉強できるというメリットがあります。
通信制高校独自の教材やサポート校との提携で合格を目指す
通信制高校で難関大学への合格実績を多く出しているところでは、「進学コース」や「特進コース」を設けています。
また、学校独自の教材を使用したり、受験に強いサポート校と提携したりしているところが多く見られます。いくつかの例をご紹介しましょう。
ルネサンス高等学校の個別授業コース
ルネサンス高等学校では予備校のプロ講師などが授業を行う「スタディサプリ」を同校オリジナル教材として使用しています。これは理解力や思考力を高めるのに役立つと評判です。
また、「個別授業コース」ではサポート校の「トライ式高等学院」と提携して、志望校に合わせたカリキュラムを組んでマンツーマンで指導しています。
トライ式高等学院には「家庭教師のトライ」の中でも特に医学部や難関大学受験のプロによる専門チームがあります。個々の生徒の希望に沿って的確な指導と受験対策、サポートを実施しています。
第一学院高等学校の特別進学コース
第一学院高等学校では高校の授業に「ウイングネット」を活用しています。
これは自宅で何度でも見られるネット学習教材ですが、「特別進学コース」ではさらに国公立大学難関校、有名私立大学対策として「アドバンスウイング」を、難関私立大学対策として「学研プライムゼミ」を導入しています。
また、最新の入試情報や受験勉強の進み具合などをきめ細かくサポートしてくれるので、安心して合格まで進むことができます。
医学部系予備校と提携している代々木高等学校
代々木高等学校は、下記のように特に医学部系大学進学に力を入れているコースがあります。
- 東京医学歯学サテライトコース(私立医学部受験予備校 メデュカパスと提携)
- お茶の水医歯薬進学コース(医系予備校 進学塾ビッグバンと提携)
- 大阪医歯薬進学コース(医系予備校 進学塾ビッグバンと提携)
いずれも医科大学や医学部に高い合格率を誇る予備校や進学塾をサポート校として提携しています。
一ツ葉高等学校の大学進学コース
一ツ葉高等学校の大学進学コースは生徒一人ひとりに合わせた学習プラン「コアゼミ」で、成績アップと徹底した受験対策を実施しています。
全日制高校ではできない少人数指導や集中した学習によって高い合格率を出しています。
松陰高等学校のスーパー進学コース
松陰高等学校では高校卒業に必要な単位を1年と2年の間に修得してしまいます。そして、3年次には受験教科に絞って徹底した受験対策を行っています。
効率よく受験勉強ができるため、医学部や医科大学へも多くの合格者を出しています。
通信制高校のメディカル(医療・介護)系は自分の進路に合わせて選ぶことが大切
このように通信制高校の中には、メディカル(医療・介護)系に強い学校が多くあります。また、医学部や薬学部系の大学進学に力を入れているところも多いので、自分の希望する進路に合った学校を探してみましょう。
なお、サポート校の所在地が遠く通うのが難しいという場合がありますし、ダブルスクールになるのでその分の学費がかかります。
学校の内容だけでなく、通学が可能かどうか、学費が払えるかどうかなどもよく検討することが大切です。
通信制高校からメディカル系に進むことは可能
通信制高校にはメディカルコースを設けているところがあります。
また、医学部や薬学部、看護大学などへの進学に力を入れている学校も多いので探してみましょう。
全日制高校よりも専門分野の学習や受験勉強に集中できるというメリットがありますが、サポート校とのダブルスクールになります。通学が可能かどうか、学費が払えるかどうかなどもよく確認しておきましょう。